香川県は、丹下健三が設計し「船の体育館」として知られる旧県立体育館について解体する方針を固めた。2023年度一般会計当初予算案に実施設計などの事業費を計上した。
規模は鉄筋コンクリート(縁梁とつり屋根はプレストレストコンクリート造)地下1階地上3階建て延べ4707平方b。敷地面積は6631平方b。
施設は前回の東京オリンピックが開催された1964年に竣工した。同じく丹下が設計した、東京オリンピックを代表する建築「国立代々木競技場(代々木体育館)」と同時並行で設計が進められた、同じつり屋根構造の「双子の建築」という。
竣工から50年がたち老朽化が進み、競技ルールの変更などで公式試合の開催が困難になっていた。県は耐震改修工事に着手するため13年度に3回の入札公告を行ったが応札者はなく、14年9月で閉館した。
文化財的な価値を考え地元の建築家らを中心に保存を求める運動も行われてきた。21年度には施設の継続的な利活用を進めるため、民間事業者から提案や意見を求める「サウンディング型市場調査」を実施。9事業者から10提案を受けたが、施設の改修や運営費用を事業者が負担するという条件を満たす案はなかった。
所在地は高松市福岡町2ノ18ノ26。跡地の利用方法は今後検討していく。
提供:建通新聞社