三重県は2月13日、県土整備部と農林水産部の2部における公共事業費が対前年度比5・7%増の998億円となる2023年度当初予算案を発表した。1月補正予算を含む15カ月予算ベースでは、増減なしの1115億1737万円。県土整備部は、国土強靱(きょうじん)化予算を含めた国補公共事業が事業の進捗状況に応じて減額となったため、当初予算にインフラメンテナンス事業に注力できるように、前年度比14・4%増となる県単公共事業費を投入し、予算を前年度並みとした。
特徴的な事業としては、県単維持事業、防災重点農業用ため池、排水機場、緊急輸送道路などの機能確保を挙げる。県単維持事業では、河川・砂防ダムの堆積土砂撤去をはじめ、道路区画線の引き直し、舗装修繕、道路除草などに取り組む。防災重要農業用ため池と排水機場では、豪雨・地震対策を行う。緊急輸送道路などの機能確保では、橋梁耐震補強や、道路の土砂崩れ対策、車両のすれ違い困難箇所の道路拡幅を実施する。
公共事業費(一般会計に流域下水道事業を含む)の内訳を見ると、国補公共事業費は445億円で同2・4%増となったが、15カ月予算ベースでは609億円となり、4・2%減となった。県単公共事業は285億円で8・3%増加した。直轄事業負担金は152億円で13・7%増となり、15カ月予算ベースでは3%増となった。災害復旧事業費は97億円で2・3%減だった(表参照)。
主要事業(5か年加速化対策分を含む)としては、県土整備部が所管する河川・砂防関係では、流域治水事業に118億4996万円、土砂災害防止対策事業に43億1996万円、堆積土砂対策事業に42億7570万円を充当した。海岸関係では、港湾事業に8億8170万円、高潮等対策事業に30億9783万円、インフラメンテナンス(河川・砂防・海岸)事業に21億6073万円を投じる。道路関係では、緊急輸送道路機能確保事業に93億4578万円、道路改築事業に104億5792万円、インフラメンテナンス(道路)事業に35億0486万円を充てた。
農林水産部は、県営ため池等整備事業に14億1259万円、治山事業に36億9319万円、県営漁港施設機能強化事業に6億1950万円を配分した。
提供:建通新聞社