日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/02/13
【埼玉】埼建協・県主催/浦和工高生がさいたま芸術劇場改修の舞台裏を見学
埼玉県建設業協会と県は8日、大規模改修が進む「彩の国さいたま芸術劇場」(中央区上峰3丁目)に浦和工業高校設備システム科の2年生を招く現場見学会を行った。生徒らの専攻に近い電気・機械設備、舞台機構などの工事現場を案内し、最先端の芸術劇場改修の舞台裏に触れてもらった。
参加した生徒は20人。案内役を工事監理業務を受託している香山建築研究所の技術者が務めた。施工者からは、島村工業の関係者などが場内誘導に協力した。
生徒らは、全国でもトップクラスの評価を持つ芸術劇場にふさわしい静かな空間をつくるための技術などに関心を示した。空調ダクトの延長を長く設計したり、ダクトの軌道を90度に曲げる消音チャンバー(エルボー)を設置したりして騒音低減を図る工夫などを学習した。
改修中の芸術劇場を工業高生の現場見学に活用したのは初めて。約13カ月の全体工期のうち、まだ4カ月目程度のリアルな現場が、生徒らの感性を刺激した。
協会の中村哲哉業務部長は「若手の入職は大歓迎。現場見学を通じ、職業の選択肢が一つ広がれば」と話した。
香山建築研究所の浜野次郎設計主任は「今はまだ、説明した全てを理解できないかもしれない。将来、成長して納得する日が来てくれたらうれしい」と期待を込めた。