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建通新聞社(神奈川)
2023/02/13

【神奈川】県土整備局 22年度の総合評価適用状況

 神奈川県県土整備局は、総合評価方式を適用した建設工事と工事系委託業務について、2022年度(22年12月31日時点で開札済みの集計)の実施状況をまとめ、2月6日に開いた総合評価審査委員会(委員長・勝地弘横浜国立大学教授)に報告した。総合評価方式とそれ以外の方式の成績評定結果や落札結果から、技術力も合わせて評価する総合評価としての機能が働き、発注者の求める品質の確保につながっていることを確認した。工事では、「週休2日制確保モデル工事の履行実績」や「若手技術者・担い手の育成実績」で加点評価を受ける企業の割合の増加が目立った。
 成績評定結果は21年度の実績を報告。総合評価方式で発注した工事35件の平均点は83・6点となり、80点以上が占める割合は全体の8割(82・9%)を超えた。総合評価方式外で発注した工事894件の平均点は77・8点で、80点以上は全体の35・9%にとどまっていることから、総合評価方式の適用が工事の品質確保に寄与している結果が表れた。工事系委託業務でも総合評価方式で発注した案件(65件)は平均点が78・8点、80点以上が49・2%あり、総合評価方式以外の案件(663件)の平均点(75・8点)と80点以上の割合(17%)をいずれも上回った。

〜「逆転落札」は工事の約半数で発生〜

 22年度の落札結果で入札金額の順位が1位以外の参加者が落札した「逆転落札」は、工事47件のうち47%に当たる22件であった。逆転落札以外も含めると47件中42件で技術点1位が落札。技術力の高さが落札につながった。特に標準型と簡易型では9件中7件で技術点1位の参加者が入札金額の1位を逆転して落札した。工事系委託業務でも64件のうち38%に当たる24件で逆転落札が発生。20年度と21年度の発生率は2割程度だったが、総合評価としての機能がより働くようになり4割近くまで拡大した。逆転落札以外では40件全て技術点1位による落札となり、工事系委託でも技術力の高さが落札につながる結果となった。
 22年度の実施状況を見ると、工事47件の内訳は、標準型と簡易型が21年度の1件(簡易型)から9件(標準型2件、簡易型7件)に増え、21年度に新設した「特別簡易型(U)」も28件から31件に増加、総合評価方式の拡大が進んだ。

〜週休2日、若手育成実績の加点企業目立つ〜

 20年4月に試行を開始した「週休2日制確保モデル工事の履行実績」による加点企業は、21年度の69・8%と比較して6・8ポイントアップの76・6%。週休2日を達成して加点評価を受けた企業の割合が年々増加傾向になっている。また配置予定技術者の「継続教育(CPD)実績」で63・3%、「若手技術者・担い手の育成実績」で16・3%が加点を受けた。このうちCPD実績の割合は20年度の36・9%、21年度の47・3%から右肩上がりに増えており、育成実績も一桁台だった過去2カ年と比べて増加。特に21年度に加点された企業がなかった「35歳未満の育成実績」が7者(12・7%)あった。
 工事系委託業務64件は簡易型2件、特別簡易型62件でほぼ前年度並み。評価項目の加点傾向を見ると、企業の技術的能力や配置予定管理者・配置予定担当技術者の技術的能力いずれも前年度とほぼ同じ割合だった。主なものでは 配置予定管理技術者の技術的能力で過去2年に70%台だった「取得資格」(案件ごとに設定する技術資格がある場合に加点)が83・2%となるなど、発注者が期待する技術的能力が高い企業が入札に参加していると見ている。
提供:建通新聞社