前村長の失職に伴う舟橋村長選で、新人同士の一騎打ちを制し初当選を果たした渡辺光氏。課題が山積する中、若さと民間出身の経験を活かした村政運営が期待される。渡辺氏に、注力したい政策など1期目への抱負を聞いた。
―初当選の感想は
「ほっとしたのが正直なところ。選挙期間中も確かな手応えがなく、開票後もなかなか結果が出ず不安だった。ただ、村長になることが目的ではなく、なってからどうするかを考えていたので、ようやくスタートラインに立てたという気持ちだった」
―選挙期間中に訴えたことは
「『未来へと持続する村づくり』『子育てしたくなる村づくり』『高齢者にも安心な村づくり』『公平で透明な役場づくり』の4つを訴えた。中でも『子育て』の待機児童の問題、『役場づくり』の組織の問題が焦点だったように思うが、『高齢者にも』という言葉をずっと強調していた。現状、子育て世代にとっては他自治体と比べて環境が整っていると思うが、全世代が安心して暮らせる村づくりを進めていく必要がある。『未来へと持続』では、他自治体と比べて少子高齢化の影響は少ないが、そんな今だからこそ先を見据えた取り組み(投資、人材育成)が重要だとアピールした。民間出身ということで、役場改革やコスト縮減といったところに期待が大きいように感じた」
―力を入れたい政策について
「これまで進めてきた子育て共助のまちづくりを継続し、さらに発展させていきたい。すでにブランディング化された事業だし、子育て世代が移住してきて人口増にも貢献している。子育て世代にとってより良い環境にするため、まだ足りない部分に注力していく」
「これまでも農業政策には力を入れていたようだが、農業者支援をまんべんなく行き渡らせるのではなく、村の未来への投資といった部分に舵をきりたいと考えている」
―ハード整備について
「村内には古く、細い道がまだまだ多い。救急車や除雪車が通りにくく、村民の生命にもかかわるような道路があるので、任期中に整備に着手したい。道路・橋梁のみならず、建築物や下水道など公共施設が老朽化していく中で、維持管理にも注視していく。広域的なところでは、常願寺川に架かり、富山市街地と富山市上条・三郷地区や舟橋村、上市町を結ぶ常盤橋がかなり老朽化している。いずれ周辺自治体と連携し、拡幅や更新などを県に要望したい」
―1期目の抱負を
「職員にもよく話していることだが、わたしは役場という組織ではトップではあるけども、ただの村民の代表でもある。村民の声をしっかり拝聴し、それを村政に反映させていくというスタイルでやっていきたい」
わたなべ・ひかる 1981年生まれ、41歳。富山大学経済学部卒。2017年にロードサービス会社取締役、20年に富山青年会議所理事長。特技は学生時代のアルバイトで培った「魚をおろすこと」。