県北部流域下水道事務所は、米原市の東北部処理区近江中継ポンプ場における水害対策として、地下の自家発電設備を屋外高所へ移すための「自家発電棟」の敷地内での新設と、併せて既存ポンプ場の老朽設備全般の更新を計画している。21年度に入札中止となっていた基本・実施設計は再公告しコンサルを決め22年度の業務完了を経て、先ごろ初弾として電気設備工事の発注を公告し、約1年間かけ施工を進める考え。順調にいけば23年度は、新設棟の建築本体工事を先行して発注し、引き続いて脱臭設備の電気・機械設備工事を1〜2件で発注・着工、年度末近くまたは24年度に最終の自家発電設備設置工事を発注・着工し、早ければ24年度中に工事を完了したい考えだ。
このほど2月に初弾として発注を公告した東北部処理区近江中継ポンプ場電気設備改築更新工事(3月1日開札)では、ポンプ棟における脱臭設備の撤去更新に伴う運転操作設備の電気設備工事を実施する。工期は24年3月21日まで。21年度入札参加者がなかった基本・詳細設計は再公告(22年2月15日開札)し、コンサルを日本水工設計滋賀事務所(草津市)に決め、水害対策で敷地内で増築予定の自家発電棟(設計対象165平方b)の建物配置や規模、維持管理の操作性等総合的な基本検討・基本設計および詳細設計と、併せて整備後30年経ち老朽化が進む既存棟の受変電設備、ポンプ設備、脱臭設備、建築電気、建築機械設備―の更新に係る詳細設計を委託し、22年度完了している。
近江中継ポンプ場は92年に琵琶湖沿岸を通る県道大津能登川長浜線に面した米原市世継他に整備。長浜方面からの送水を場内で汲み上げ彦根方面へ送水する建物はRC造地上2階地下3階の5階層、延2101平方b規模で、地下の自家発電設備をはじめ施設内に全設備を備えている。
自家発電設備は、15年度に策定された「耐水化計画」によって地下にある自家発電設備を「屋外高所へ移設すること」と提言されたが、想定浸水深が0・5bであるため、その後ポンプ場の個別箇所に止水壁を設けることで対策をいったん完了し移設の必要性は無くなったが、自家発電設備と電気設備が地下にあるのは過去の水害リスクに鑑みて好ましくないとして、敷地内に自家発電棟を新設し、既存の自家発電設備と電気設備を充分な高さが確保できる高所へ移転する方針を決定した。
提供:滋賀産業新聞