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建通新聞社(静岡)
2023/02/08

【静岡】交通誘導員の確保 指定路線でも依頼可能に

 静岡県は、県発注工事の施工者が静岡県警備業協会(立川勝彦会長)を通じて交通誘導警備員を確保できる仕組みを整える。現在は施工者の従業員が交通誘導を行う「自家警備」の対象路線に限り、同協会を通じて警備員を確保できる。2023年度からは、自家警備の対象になっていない警備業法上の指定路線でも、同協会に会員企業の警備員の情報提供を依頼できるようにする。
 県発注の土木工事では、地域・時期によって警備員が確保できないことが施工上の課題になっているとして、2020年10月から自家警備を試行。警備員を確保できない施工者は、資格要件を満たした従業員を交通誘導員として配置できる。
 自家警備は、静岡市と浜松市の発注工事でも試行されている。
 ただ、県発注工事の自家警備の採用実績は、累計で9件にとどまっており、22年度の採用実績は現時点ではない。警備員を確保できない施工者は、県警備業協会を通じて同協会の会員企業に情報提供を依頼し、それでも警備員を確保できない場合に限り、自家警備を選択することができる。
 22年度も、この情報提供依頼の段階で会員企業から警備員を確保できたケースが5件あったという。
 県は現在、県内の交通誘導警備員が明らかに不足する状況にないとみているが、台風15号の災害復旧工事が本格化することを見据え、この情報提供依頼の仕組みを拡大し、円滑な施工を確保する。
 具体的には、これまで自家警備の対象路線に限っていた県警備業協会への情報提供依頼の対象を拡大。自家警備の可能性の有無にかかわらず、従来は情報提供を依頼できなかった指定路線でも警備員の情報提供を協会に依頼できるようにする。協会は、すべての会員企業に情報提供依頼があったことを通知し、契約可能な企業と施工者が直接交渉する。

受講証明の有効期間は延長

 また、自家警備を行う場合に必要な静岡県建設業協会(石井源一会長)の交通誘導安全講習会の受講証明書は、有効期間を現在の3年間から5年間に延長する見通しだ。新規の講習受講者の有効期間を5年に見直すとともに、20〜22年度の受講者は自動的に有効期間を2年延長する。23・24年度は有資格者を確保するために講習会を開くが、25年度以降は更新講習のみを開き、今後10年をめどに制度を検証する。