京都府は、与謝野町男山の京都府立医科大学附属北部医療センターについて、令和5年度に病院整備に係る基本構想を策定する。早期の建替えを目指し、将来の医療需要に対応できる新病院の整備内容を検討する。
令和5年度当初予算案に北京都安心拠点基盤強化検討費として1000万円を新規計上し、北部医療センター基本構想策定費と府立看護学校整備検討費に充てる。
北部医療センターでは、老朽化が進む施設・設備や、少子高齢化の進展による医療需要・疾病構造の変化に対応し、地域における中核病院としての役割を果たすため、病院整備に係る基本構想を策定。医療需要・疾病構造を踏まえた目指すべき病院像及び整備スケジュール、整備手法などを検討する。
北部医療センターを巡っては、令和4年12月議会の代表質問で西脇隆俊知事が答弁。「丹後医療圏は京都府内でも特に少子高齢化が進んでいる地域であり、医療従事者の確保や高齢化に伴い増加するがん治療への対応が課題となっている。北部医療センターでは、これまでから医師の増員や診療科の拡充に取り組んでおり、令和2年度にはがん診療棟の運用が開始されるとともに、歯科口腔外科が開設されたところ。またコロナ下においては、いち早く新型コロナウイルスに罹患した妊婦の分娩にも対応できる体制を整えるなど、機能強化を図ってきた」「一方、病棟をはじめ、築後45年以上を経過し、老朽化が進んでいることから、今後の医療需要、疾病構造の変化も見据えた整備が必要と考え、昨年(令和3年)7月に地元市町、医師会、経済界にも参画いただき、北部医療センター病院機能検討会議を設置して、北部医療センターの経営実態も踏まえて、必要となる医療体制などについて研究をしている。この会議はこれまで4回開催し、丹後医療圏内での役割分担による高度医療の拡充、新興感染症にも対応できる体制の確保、災害拠点病院としての機能の強化、大学附属病院としての教育・研究機能の充実などに関して意見をいただいている。京都府としては病院機能検討会議での意見も踏まえて、総合医療や高度医療の充実を図るとともに、病院機能を支える施設整備の検討について、来(令和5)年度当初予算編成での議論を進め、北部医療センターが将来にわたって北部地域の中核病院としての役割が果たせるよう取り組んでいきたい」と述べた。
府立看護学校整備検討費については、北部地域での看護師の確保・定着及び生涯教育の拠点として、老朽化が進む府立看護学校の機能拡充や整備などを検討する。
府立看護学校を巡っては、令和4年9月議会の特別委員会で質疑があり、府側は「昨(令和3)年度、北部地域における医療看護及び看護教育体制のあり方検討会を設置しており、少子高齢化が進む北部地域における看護教育の充実、離職防止、潜在看護師の活用といった課題について、関係機関が集まり、更なる対策の検討を進めていくということで、今後4年間かけてそういった対策に取り組んでいきたいと考えている。また府立看護学校の早期の施設整備の策定に向け、こちらについても北部医療センターと一体的に検討していきたいと考えている」と答えた。