国交省創設のナショナルサイクルルート(NCR)の指定に向け、県土整備部は今年度末から候補ルート「鳥取うみなみロード」の環境整備に入る。サイクリストの安全走行を最優先するため、注意喚起を促す路面標示や案内看板をルート内に整備する。
NCRは国が国内外のサイクリストにPRし、自転車を通じて新たな観光需要を掘り起こす目的。県は昨年10月までに県内の海岸線を走る国道9号を中心に、JR境港駅からJR東浜駅(岩美町)にかけて横断する候補ルート・全長152`を選定し、24年度のNCR指定を目指している。
指定要件には、安全走行の環境整備がうたわれており、ルート内の国・県道、市町村道に注意喚起の路面標示や案内看板を設置する。
今回、先行して整備するのは県東部の国道178号(岩美町小羽尾地内)から県道湯山鳥取線(子供の国交差点)にかけて約17・5`の自転車道。矢羽根マークの矢印標示を10b間隔で約490カ所、注意喚起標示約180カ所を路面に焼き付けほか、看板は大型標識約40枚、注意喚起標示板約20枚を設置する。事業費2000万円。
現場を担当する鳥取県土整備事務所は、国道178号・小羽尾工区を舗装補修に合わせて発注するほか、次いで鳥取砂丘にかけての整備は「交通安全施設工」を対象に年度末までに発注する。
同部道路企画課や県観光戦略課では、残区間約130`について「国交省や各市町村の道路管理者と協議して23年度中をめどに順次整備を進めていきたい」と説明。23年度国予算の配分を国交省に働き掛けていくことにしている。
日刊建設工業新聞