香川県は、老朽化し決壊の危険性が高い防災重点農業用ため池377カ所を2023〜30年度の8年間で順次、改修していく。ため池の劣化状況評価で堤体、取水施設、洪水吐の全てで劣化が進行しているため池「老朽度A」179カ所と、全体的に劣化は進行していないものの断面変形が大きいものや漏水が一定程度認められるなど堤体の劣化が進行し、地震や豪雨で決壊の危険性が高いため池「老朽度B1」198カ所を対象とする。
対策としては、改修するため池が241カ所、廃止するため池が136カ所。廃止の場合、ため池の堤防をV字に開き近くの水路や川につなげる方法などで貯水能力をなくす。
18年7月の豪雨を契機にため池工事特措法が20年10月に施行。防災重点農業用ため池を劣化の程度を踏まえ、危険なため池から優先的に整備するよう定められた。これを受け、県と県内17市町、県土地改良事業団体連合会で構成する「香川ため池保全管理サポートセンター」が20〜22年度上半期に劣化状況評価を行った。
県内にある未改修の防災重点農業用ため池1440カ所を老朽度「A」「B1」「B2」「C」「D」の5段階で判定した。
老朽度AとB1以外については、全体的には劣化は進行していないため池「B2」が393カ所。全体的に劣化程度が小さく当面は日常管理で問題がないため池「C」が514カ所。全体的に劣化はなく安全なため池「D」が156カ所だった。
老朽度AとB1のため池377カ所を優先度の高い池から、ため池特措法の期限となる30年度までに全面改修などを行っていく。
提供:建通新聞社