建通新聞社(静岡)
2023/01/31
【静岡】CCUS 登録手続きをサポート
建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録者数は、昨年10月に運用開始から4年半で100万人を超えた。運用開始当初は1年での突破を目指していた100万人の登録に4年半を要した原因の一つが複雑な登録手続きだ。システムを運営する建設業振興基金は、書面申請を受け付ける「認定登録機関」や、登録を代行する「CCUS登録行政書士」を全国に配置するなど、登録に不慣れな事業者・技能者の支援体制の構築を進めている。
CCUSの静岡県内の技能者登録者数は昨年12月末時点で2万5138人、事業者登録は5565者(うち一人親方3781者)。建設業の常用労働者数が6万8640人(21年毎月勤労統計調査)、建設業許可業者数が1万3628者(22年3月末時点)であることを考えると、未登録の事業者・技能者が依然として多数を占める。
CCUSの登録はインターネット申請を原則としているが、技能者登録で7%程度、事業者登録で10%程度で書面申請を受け付けている。
認定登録機関は、技能者登録と事業者登録の書面申請の受け付け、審査、システム登録までの一連の事務を担う窓口。一人親方ら、インターネット申請が難しい申請者の利便性を確保するため、振興基金が全国の行政書士らを認定し、今年1月時点で全国241カ所に設置されている。
静岡県内で認定を受けているのは静岡市と浜松市の二つの行政書士事務所。21年12月に認定を受けた山田英夫行政書士事務所(静岡市駿河区)では、月20〜30件の申請を受け付けている。山田代表は「元請けのゼネコンから加入を求められた一人親方らの申請が多い」などと話す。
認定登録機関は、振興基金から業務を受託しているため、申請者はCCUSの利用料金だけで登録をサポートしてもらえる。山田事務所の関連会社の山田土地建物は、CCUSに登録した技能者に特典を与える「CCUS応援団」にも県内で唯一参加。CCUSカードの保有者に不動産売買・賃貸仲介手数料を割り引くサービスなども提供している。
一方、技能者登録・事業者登録の申請手続きに加え、現場運用についてもサポートするのが「CCUS認定アドバイザー」。振興基金が開催する講習を受講し、認定を受けたアドバイザーが企業・技能者の相談に対応する。振興基金の名簿に登録している322人のうち、静岡県内では2人のアドバイザーが登録している。
さらに、22年4月からは、行政書士がCCUSに事業者登録することが認められ、登録時に取得したIDを使った代行申請が可能になった。代行申請が可能な「CCUS登録行政書士」は1月時点で766人で、このうち静岡県内の行政書士は31人いる。