建設新聞社
2023/01/30
【東北・青森】実施方針等を公表/青森県の八戸合同庁舎整備事業
青森県は、BTO方式で事業者を選定する八戸合同庁舎整備事業の実施方針等を公表した。質問・意見の提出締切は2月10日まで。3月下旬に特定事業の選定・公表、4月ごろの入札公告、5月ごろの参加表明受付、6月ごろに資格審査の結果を通知する。その後、9月ごろの入札書・提案審査書類の受付、11月ごろの落札者決定、2024年1月ごろの基本協定締結を目指す。
参加資格は、複数の民間事業者で構成されるグループとし、うち設計業務、工事監理業務を行う者は、一級建築士事務所登録を行っており、07年度以降に延床面積4000平方b以上の庁舎または事務所の実施設計を元請として受託し、かつ履行完了した実績を有すること。
建設業務を行う者は、建築一式工事の特定建設業許可業者。07年度以降に延床面積4000平方b以上の庁舎または事務所の建設工事の元請施工実績(JVの場合は、少なくとも1社が要件を満たし、その他構成員は特定建設業許可など)。現庁舎等の解体撤去業務のうち解体工事および関連業務を行う者は、建築一式工事または解体工事の特定建設業許可業者で、07年度以降に延床面積4000平方b以上の建物の解体撤去の元請施工実績。
維持管理業務、運営業務を行う者は、07年度以降に延床面積4000平方b以上の庁舎または事務所の維持管理業務のうち、本事業に該当する業務を継続して1年以上受託した実績を有することなど。
八戸合同庁舎は、今後の長期使用や災害時の拠点としての耐震強度、庁舎に必要な機能確保の面などから建て替えが必要となっており、合庁周辺の老朽化した県有施設の集約化も含めた建て替えを立案。21年度にパシフィックコンサルタンツに委託し策定した基本計画などから、整備手法についてPFI法の規定に基づき、または準じて、庁舎の建設工事と維持管理等の運営業務を民間事業者に一括して長期的かつ包括的に発注することとし、同年8月には24年1月31日までを期限にアドバイザリー業務を日本総合研究所に委託している。
今回公表された実施方針によると、新合同庁舎は、大災害時の迅速な対策活動が可能な高い防災機能を有した庁舎とすることを求めるほか、ユニバーサルデザイン、行政事務効率向上、維持管理のしやすさ、環境への影響等に配慮した計画、近年の新型コロナウイルス感染症の流行、働き方改革など社会環境の変化に柔軟に対応できる計画とする。
事業方式は、事業者が新庁舎の設計業務、建設業務および工事監理業務を行った後に、県に対し新庁舎の所有権を移転した上で維持管理業務および運営業務を行うBTO方式として実施(現庁舎等については、解体撤去業務を実施する)。
事業対象地は、青森県八戸市尻内地内の敷地面積1万7174・59平方b(第二種中高層地域=建ぺい率60l、容積率200l、近隣商業地域=建ぺい率80l、容積率200l)。
集約対象施設は、八戸合同庁舎(本館=RC造地下1階地上4階建て、延べ4322・17平方b、1971年竣工。同別館=S造3階建て、延べ833・16平方b、97年竣工)のほか、同一敷地内にある三戸地方保健所・八戸児童相談所(RC造2階建て、延べ1659・75平方b、79年竣工)や周辺施設の三八地域県民局地域農林水産部農村整備庁舎(S造2階建て、延べ818・11平方b、80年竣工)、同県民局みなと分庁舎(RC造4階建て、延べ4082・39平方b、74年竣工)の4施設と、その他施設(駐車場、外構等)とする。
対象業務は、新庁舎の設計業務(事前調査等業務、設計および関連業務)、同建設業務(建設および関連業務、什器備品の調達支援業務、移転支援業務、引越業務)、同工事監理業務、現庁舎等の解体撤去業務(解体設計および関連業務、解体工事および関連業務)、維持管理業務(建築保守管理業務、建築設備保守管理業務、外構施設維持管理業務、植栽管理業務、清掃業務、環境衛生管理業務、警備業務、修繕業務)、運営業務(受付・案内業務、電話交換業務)、SPC運営管理等業務(プロジェクトマネジメント業務、経営監理業務)。
事業スケジュールは、2024年3月ごろに事業契約を締結し、24年4月から27年3月の施設整備、27年3月31日の新庁舎引き渡し、27年6月1日の供用開始(一般来庁者へのサービス開始)、28年3月31日までの現庁舎等解体撤去、27年4月1日から42年3月31日まで維持管理・運営を行うとしている。
提供:建設新聞社