県 コロナで中断の比田勝港改修 県公共事業評価監視委で事業継続了承 県は、新型コロナの影響で中断していた比田勝港改修事業の浮桟橋整備を大規模化した上で再開する。26日に開かれた県の公共事業評価監視委員会(友広郁洋委員長)で、対馬振興局の担当者が説明。委員会は、同事業について対応方針通り継続を認めた。
比田勝港は、釜山航路の船舶が利用可能な岸壁が3バースしかなく、他地区岸壁への一時退避や洋上での待船が発生するなど利用に支障をきたしていた。このため新たに浮桟橋を整備し、バース不足の解消による港湾機能の確保に取り組むことにした。
2018年に測量・調査・設計、19年度に浮き桟橋の橋台工に着手したが、新型コロナの影響で航路が全面休止になったことを受け、20年度から整備を一時中断していた(事業費ベースの進捗率は8・8%)。
昨年10月の政府による水際措置の大幅な緩和を踏まえ、ことし1月時点で、韓国の複数社が運航に向けた準備を進めていることから、アフターコロナを見据え、早急に受け入れ態勢の整備が必要と判断。このような社会情勢の変化に加え、事業期間と事業費の見直しについて、委員会に諮った。
今回の計画では、釜山航路の船会社との協議を踏まえ、対象船舶を従来の総トン数160(GT)級から500(GT)級に拡大。この結果、浮桟橋の延長を当初想定の35bから50bに延長。規格の変更に伴って事業費が2・3億円増えるとともに、労務費や鋼材の価格上昇分として0・7億円追加し、総事業費を当初計画の5億円から8億円とした。併せて、事業期間を3年延長し、25年度までとした。
事業主体である県は、同事業について、▽対馬の観光振興・地域活性化にも資する▽対馬市からも早期整備・早期供用の強い要望がある▽事業期間の延長、事業費の増はあるものの、費用会効果が見込まれる―などとし、事業を継続する対応方針原案を提示。委員会も了承した。
長崎本線連立・星鹿港線も事業継続 26日の委員会では、この事業のほか、JR長崎本線連続立体交差事業と一般県道星鹿港線(御厨工区)の計3件の再評価対象事業を審議。いずれも現地調査・詳細審議の必要はなく、対応方針通り事業の継続を認めた。
長崎本線連立事業では、道路実施設計(稲佐立体交差)の中での工事工程精査や計画見直しにより、総事業費を494・2億円から514・3億円に増額、工期を23年度から24年度に延長した。
星鹿港線は、汚濁防止膜の再設置費用や補償費の増、用地取得の遅延により、事業費を7・9億円から8・8億円に増額、工期を22年度から24年度に延長した。