国土交通省が21年度、全国39駅の「防災道の駅」に甲良町の「道の駅せせらぎの里こうら」を選定したことを受け、県湖東土木事務所は「せせらぎの里こうら」を災害時の湖東地域における唯一の自衛隊活動拠点や警察・自衛隊の広域活動拠点として、新たに整備するヘリポートや給水施設・防災倉庫・給水施設等と一体的に活用できる防災拠点化に取り組む。今年度は基本設計を委託済みで2月末にまとめる見通し。基本設計と関係機関との協議等が順調にいけば、23年度にも詳細設計の委託へと進め、早ければ23年度中にも初弾工事を発注し可能な箇所から一部着工していき、最大5年の社会資本整備総合交付金支援期間の最終となる25年度までの3ヵ年で整備を進めたい考えだ。
22年度発注した国道307号単独道路改築設計では「道の駅せせらぎの里こうら」の「防災道の駅」選定を受け、甲良町および施設管理者との役割分担を図りながら、道路管理者としての観点から防災拠点化に向けた防災拠点機能の計画検討および基本設計を中央コンサルタンツ滋賀事務所(大津市)に委託した(22年10月12日開札)。委託期間は2月28日まで。
防災道の駅化の整備イメージに盛り込まれた具体的な整備計画によると、既存の道の駅区域に、新たに取得する約2000平方b規模の用地と合わせ、配置や規模はそれぞれ未定ながら、ヘリポート、非常用発電装置、防災倉庫、給水施設―を新たに整備するほか、既存施設も活用し自衛隊・消防・警察のベースキャンプや活動拠点スペース、指令拠点、救援物資保管・集配スペースを設ける予定。防災トイレや通信機器は随時購入する。
「せせらぎの里こうら」は、国道307号沿い、甲良町金屋地先に滋賀県と甲良町が設置し、13年にオープンした道の駅。県有地約4000平方bおよび町有地約1万平方bで構成する計約1万4000平方bの敷地に、乗用車59台、バス10台、トラック10台が駐車可能な駐車場やトイレを備え、直売所やレストラン、観光案内所のほか、調整池に芝生を敷き詰めた広場やドッグランがある。
防災道の駅制度は「道の駅」の第3ステージの取り組みの一環で、都道府県の地域防災計画等で広域的な防災拠点に位置付けられている「道の駅」を選定し、防災拠点としての耐震化、無停電化、通信設備、貯水施設、防災倉庫、防災トイレ等のハード面と共にBCP策定や防災訓練などのソフト面にも、重点的な支援が行われる。
提供:滋賀産業新聞