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建通新聞社(神奈川)
2023/01/30

【神奈川】横浜市 23年度予算案施設整備3986億

 横浜市は1月27日、施設等整備費の総額が前年度比1・1%減の3986億円となる2023年度予算案を公表した。内訳は一般会計が1985億円(前年度比0・3%増)、特別会計が541億円(同9・5%減)、公営企業会計が1459億円(同0・4%増)となった。「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」を基本戦略に、建設関連では良質な教育環境を提供するための図書館ビジョンの策定や、高い省エネ性能を持つ住宅購入への補助、野毛山動物園のリニューアル検討などに取り組む。脱炭素の推進ではカーボンニュートラルポート形成計画を策定。27年開催の国際園芸博覧会に向けた取り組みも加速する。一般会計は前年度比3・7%減の1兆9022億円となった。
 取り組みの柱となるテーマを五つ設定した。
 一つ目は「子育て世代への直接支援」。新たに中学校での全員給食に向け配膳室を整備するため、設計を50校、工事を25校で実施する他、小学校調理室のエアコン設置を検討する。
 安全・安心な教育環境の充実では、341億1800万円を計上。小・中学校の建て替えで、二俣川小学校など9校の工事と戸塚小など6校の実施設計、上末吉小など7校の基本設計の他、6校で基本構想を検討する。エレベーターや体育館の空調設備設置、空調設備の更新も継続する。

〜図書館ビジョンを策定〜

 二つ目は「コミュニティ・生活環境づくり」。子育て世代をはじめすべての市民が居心地よく過ごせる図書館像を示すビジョンの策定に4500万円を計上した。通学路の交通安全対策には12億6500万円を充てる。
 三つ目は「生産年齢人口流入による経済活性化」。断熱性能6・7等級の高い省エネ性能を持つ住宅の購入などに最大100万円を補助し、住みやすいまちづくりと子育て世代の転入・定住を促進する。
 都市計画マスタープラン改定に併せた「都市づくり戦略」の策定には2800万円を充てる。土地利用制度の見直しや規制緩和の取り組みを加速する。
 旧上瀬谷通信施設地区の土地利用の推進には150億1100万円を計上した。土地区画整理事業の工事に着手し、(仮称)旧上瀬谷通信施設公園の実施設計、基盤整備などを行う。地区周辺道路の整備に加え、交通円滑化手法や新たなインターチェンジの検討に入る。
 市街地開発推進の予算は146億3500万円。区画整理は旧上瀬谷と二ツ橋北部地区と新綱島駅周辺地区で、再開発は新綱島駅前地区や綱島駅東口駅前地区、中山駅南口地区などで進める。
 米軍施設の跡地利用には153億9400万円を投じる。旧深谷通信所内に建設する市営墓地の基本設計に着手し、根岸住宅地区では事業化検討調査などを続ける。
 市営住宅の再整備では56億7400万円を計上。野庭住宅の再整備事業で民間事業者との連携を検討する。建て替え事業では、ひかりが丘住宅と岩井町住宅、川辺町住宅で住戸改善工事を実施する他、中村町住宅など5住宅の建て替え工事、さかえ住宅など2住宅の実施設計、六浦住宅の基本設計を進める。
 道路や河川、上下水道の整備では、都市計画道路などの整備に247億8100万円、横浜環状道路整備などに192億9100万円、道路などの改良と保全に160億1900万円、道路の維持・修繕に108億8700万円、河川整備事業に37億0500万円、下水道整備事業に579億4300万円、水道整備事業に432億4000万円を投じる。
 高速鉄道3号線延伸事業の推進に2億2200万円を計上し、関係機関との協議・調整とともに設計を継続する。

〜野毛山動物園をリニューアル〜

 四つ目は「まちの魅力・ブランド力向上」。野毛山動物園のリニューアルプランの策定に新たに取り組む。ふれあい広場などの改修と併せて3億3500万円を計上した。
 臨海部活性化推進事業には3100万円を充て、臨海部のさらなるにぎわい創出手法を検討する。関内・関外地区の活性化推進の予算は30億0900万円。旧市庁舎街区と横浜公園を接続する歩行者デッキ整備工事に着手する。横浜駅周辺のまちづくりでは5億7800万円を充て、「エキサイトよこはま22」を推進するため、地区全体のまちづくり計画を検討する。臨海部の回遊性向上には25億0100万円を計上。みなとみらい21地区の歩行者ネットワーク整備や臨港パーク先端部未整備箇所の工事を実施する。
 ふ頭機能の再編・強化の推進には、211億7900万円を投じる。新本牧ふ頭整備第1期地区と第2期地区で工事を進めるとともに、本牧ふ頭D5コンテナターミナルの整備を実施する。山下ふ頭の再開発では、調査検討業務に4500万円を充て、再開発検討委員会を組織、運営する。
 安全・安心で快適な公園整備には159億4800万円を計上した。小柴自然公園と舞岡八幡山しぜん公園で部分的な供用開始を目指し工事を進める。三ツ沢公園の再整備では設計検討に着手する。旧市民病院跡地の整備には1200万円を充て、実施設計を進める。
 国際園芸博覧会推進の予算は7億4400万円。23年度を機運醸成元年≠ニ位置付け、戦略的な広報・PRを行う。

〜カーボンニュートラルポート形成へ〜

 五つ目は「都市の持続可能性」。カーボンニュートラルポート形成計画の策定に2000万円を、再生可能エネルギーによる電力調達の検討に1000万円を計上した。脱炭素関連では、よこはま健康・省エネ住宅推進コンソーシアムによる省エネの普及啓蒙の他、次世代自動車やFC(燃料電池)バスの普及とインフラ整備を展開する。
 これらの他、テーマごとの主な建設関連事業と予算は次の通り。
【子育て世代への直接支援】
 ▽東部児童相談所の実施設計と南部児童相談所の工事―20億0300万円
 ▽(仮称)スマート教育センターと併設する保育・幼児教育センターの設置に向けた設計アドバイザリー業務―1500万円
 ▽学校特別営繕費―153億1400万円
【コミュニティ・生活環境づくり】
 ▽市営墓地の整備―5億3000万円
 ▽(仮称)東部方面斎場の実施設計、工事―5億3400万円
 ▽市立みなとみらい赤十字病院の救急外来の感染症患者受け入れ環境改善工事―2億7500万円
 ▽新南部病院の基本・実施設計補助―9100万円
 ▽新南部病院再整備に向けた旧港南工場解体工事など―3億3800万円
 ▽市立大学医学部・付属2病院再整備の基本計画検討―4000万円
 ▽特別養護老人ホーム建設費補助―31億4300万円
 ▽松風学園再整備―3億6800万円
 ▽持続可能な住宅地推進プロジェクトなど―1800万円
 ▽スポーツセンターと地区センター体育室空調設置―4億6700万円
 ▽横浜国際プール利活用の検討―1000万円
【生産年齢人口流入による経済活性化】
 ▽企業誘致促進事業―42億7500万円
 ▽本場青果棟の増築工事など―29億1300万円
 ▽港北区民文化センター床取得と都筑区民文化センター設計・工事、金沢区民文化センター基本設計―5億7900万円
 ▽横浜美術館大規模改修事業―67億4700万円
 ▽横浜能楽堂大規模改修工事―8800万円
 ▽戸塚区ドリームハイツ周辺地区など走行環境整備―1億1900万円
 ▽鉄道ネットワーク形成など―89億5400万円
【まちの魅力・ブランド力向上】
 ▽新横浜都心まちづくりの検討―2800万円
【都市の持続可能性】
 ▽Zero Carbon Yokohamaの実現に向けた取り組み―44億9500万円
 ・脱炭素先行地域における都市モデル創出―8億9200万円
 ・民間事業者の太陽光発電設備など導入促進―7億円
 ・建築省エネ法改正に関する調査検討―1200万円
 ・サーキュラーエコノミーの構築に併せた脱炭素ライフスタイルの浸透促進―3400万円
 ・公共施設への太陽光発電設備導入―1100万円
 ・市役所RE100推進事業―1億3700万円
 ▽がけ・盛土対策の推進―11億6800万円
 ▽建築物耐震性向上―15億円
 ▽消防本部庁舎の整備―105億8300万円
 ▽消防訓練センター施設の基本設計と調査―6100万円
 ▽焼却工場補修費―18億3900万円
 ▽保土ケ谷工場再整備―1億8600万円
 ▽河川・水路など維持管理事業の業務効率化―2000万円
提供:建通新聞社