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　九州電力（池辺和弘社長）は、薩摩川内市の川内文化ホール跡地に自社機能を含む新たな施設を建設する。建設規模はＷ造２階建約３０００�uの本館と、同平屋建て約５００�uの別館の２棟で構成。ＺＥＢ大型木造施設として、環境とふれあい人をつなぐ新しいシンボルが誕生する。施工は植村組・橋口組共同企業体、設計・監理は西日本技術開発が担当し、２０２４年３月の竣工を目指す。
　建設地は同市若松町で、敷地面積は約８５００�u。九電グループが掲げる「カーボンニュートラルビジョン２０５０」の実現に向け、「ＺＥＢ」を採用し、利用者に環境とのふれあいや開放感あふれる憩いの場を提供するため、グループでも初となる大型木造施設を建設する。
　計画では、本館２階に同社川内営業所と川内原子力総合事務所の機能を移転するほか、中心市街地の持続的なにぎわいを創出する目的で、１階部分に会議室やキッチン、図書閲覧などの多目的スペースと、カフェやチャレンジショップなどのテナントスペースを導入する。併設される別館には、キッズスペースを設置。広々とした空間に、子育て層を中心とした親子３世代が集い、楽しみ、学べる場を提供する。
　また、広場（約２３００�u）や立体駐車場（Ｓ造２階建て、約１２０台）、公用車駐車場（56台）も配置。事業費は、施設整備費と市有地賃借料（29年間）合わせて25億８０００万円以上を見込む。跡地利用にあたっては、20年９月に市と基本協定を締結し、21年８月に実施協定を結んできた。
　26日、起工式を実施。永田一廣薩摩川内副市長はじめ、関係者約50人が出席。九州電力の藤井一郎副社長が狩り初め、西日本技術開発の小副川学建築部長が鍬入れ、植村組の植村一社長が穿ち初めを行ったほか、各関係者が玉ぐしを捧げ、工事の無事を祈願した。
　藤井副社長は「中心市街地の持続的なにぎわい創出に寄与し、市民から親しまれる施設にしていきたい」と挨拶。永田副市長は田中良二市長の代読として、未来創生の新たなシンボルとなる施設建設に期待を寄せた。
　今後、24年春の開業に向け工事を進めていくほか、愛称の募集も行っていく。

　※ＺＥＢ−Ｎｅｔ　Ｚｅｒｏ　Ｅｎｅｒｇｙ　Ｂｕｉｌｄｉｎｇの略。一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物