京都市消防局らは25日、京都市以南の各消防本部が個別に運用している消防指令センターを1ヵ所に集約、消防指令業務を共同運用すると発表した。
共同運用の実現を図るため、令和5年度から先進的かつ効率的な消防指令システム及び消防救急デジタル無線の設計業務、整備費用の算出を行う。
総務省消防庁は、多様化する災害や社会環境の変化に的確に対応し、必要な消防力を確保するため、市町村の消防の連携・協力に関する指針を平成30年4月に改定。その中で高機能消防指令センター(消防指令センター)の共同運用をはじめとした消防の連携・協力の推進を盛り込んだ。
指針改正を踏まえ、京都府は、令和3年7月に「京都府消防体制の整備推進計画」を改定し、消防指令センターの共同運用を優先取組事項の一つに掲げ、消防力の確保に向け、将来を見据えた消防体制の整備に取り組むことを盛り込んだ。
これを受け、京都市及び京都府南部地域8消防本部の消防長並びに京都府からなる京都府南部消防指令センター共同運用検討会が令和3年11月に立ち上がり、共同運用に向けた検討が始まった。
京都市消防局は、令和4年度に共同運用を検討する調査を行い、新たな指令システム構成、概算事業費算出、課題抽出・整理等の提案を受け、実現方法についての検討を実施した。
京都市と府南部地域8消防本部を合わせた計9消防本部の消防指令センターを1ヵ所に集約、消防指令業務を共同運用する。
共同運用により期待される効果は、@住民サービスの向上(ア・災害情報の一元管理により複雑・多様化する災害へのより効果的・効率的な対応、イ・大規模災害発生時の消防相互応援協定の運用の迅速化)、A消防体制の充実・強化、財政面の効果(ア・消防指令システム、消防救急デジタル無線の高機能化及び強靭化、イ・指令システムの集約による整備費及び維持管理費の低減)。
京都府南部9消防本部は、京都市消防局(京都市)、宇治市消防本部(宇治市)、乙訓消防組合消防本部(向日市、長岡京市、大山崎町)、城陽市消防本部(城陽市)、八幡市消防本部(八幡市)、京田辺市消防本部(京田辺市、井手町、宇治田原町)、久御山町消防本部(久御山町)、相楽中部消防組合消防本部(木津川市、笠置町、和束町、南山城村)、精華町消防本部(精華町)の構成16市町村(8市7町1村)で、管轄人口計は約217万人。
また令和4年8月と11月には旧総合資料館跡地等の活用に係る意見聴取会議を開催し、全体コンセプトや求められる機能等、最適な事業手法などについて検討した。
府は、令和5年度当初予算案に新規で旧総合資料館敷地暫定活用事業費として3億6000万円規模を計上。1月23日の定例会見で西脇隆俊知事は「古い建物が残ってそのままになっているが、本格的な活用がいずれ必要になる。その間、民間の創意工夫を活かし、既存建物の解体撤去と敷地の暫定的な活用を一体的に実施したい。令和5年度と6年度の2ヵ年での実施を考えている」と方針を示した。