PFI手法を取り入れて再整備する県営住宅上粟島団地について、県は25日、有識者から実施可否を聞き取りした結果、特段の異論がなかったとし、県の方針通り設計・施工を一括発注するBT方式による実施を再確認した。
同日、県庁で開いた庁内会議では、12月県議会での議論を踏まえ、今後PFI事業の実施や公の施設管理を見直しする際には、客観性を持たせるためあらかじめ民間有識者から意見聴取することを確認した。
上粟島団地(米子市彦名町)は、維持管理部分を住宅供給公社による代行の継続を条件に約4%(約3000万円)の事業費削減効果(VFM)が見込まれ、BT方式の導入が検討されている。
県行財政改革推進課は、有識者から意見聴取した結果「通常の公共調達と違い、設計と施工を一括すればVFMが出ることに疑問はない」などと、県の方針を容認する声が大半だったと説明した。維持管理については住宅供給公社による管理代行を続ける。
今後、23年度に実施方針を公表し、24年度に事業者を募集して選定、契約する。
また、PFI事業の物価変動対応についても意見聴取。県は有識者の指摘を受け、物価変動があった場合のルールを契約書に明記する基本的な考え方に加え、提案書に物価上昇リスクに対する考えを記載させて評価する手法の検討を決めた。
日刊建設工業新聞