四街道市は、将来的なごみ処理について「市単独での次期ごみ処理施設建設」「広域化」「民間委託」の3パターンを検討している。「広域化」に関して、近隣自治体への処理委託や事務組合へ加入し既存施設で処理する方法では、市全域のごみを処理することが困難と判明。そのため、事務組合に加入または事務組合を新たに設立した上でごみ処理施設を新設する方法について、可能性を模索している。鈴木陽介市長は「想定パターンの比較検討を進めながら、引き続き情報の補充・分析のため、他の自治体の事例収集を行う」と話し、「年度内に概算事業費を算出し、公表を目指す」とした。
「市単独での建設」については、事業費算出のため、庁内や県の関係所管課に対し、課題の確認を行っている。単独で建設する場合、事業手法としてDBO方式を想定しており、エックス都市研究所・環境技研コンサルタント共同企業体に「整備運営事業発注支援業務」を3月31日までの納期で委託している。
「民間委託」に関しては、清掃事務所や中継施設の整備の必要性を分析しつつ、委託可能な民間企業を対象に、費用比較のために必要な資料収集・協議を行っている。
2021年9月公表の「一般廃棄物処理基本計画(中間見直し)」では、新たなエネルギー回収型廃棄物処理施設の規模を約76t/日、マテリアルリサイクル推進施設の規模を約13t/日とした。
22年2月に行われた市長選挙で、鈴木氏は「広域化を含めたすべての可能性を検討」を公約に掲げ、当選を果たした。
汚染残土問題/防止策報告へ
次期ごみ処理施設は、既存の四街道クリーンセンターと粗大ごみ処理施設が稼働から30年程度経過していることを踏まえ、長期にわたり安定的な中間処理を実施するため、吉岡677―1ほか地先に整備が計画されていた。
しかし、建設用地と隣接地の間にあったくぼ地の埋め立てを実施していたところ、残土に基準を超えるフッ素および化合物が検出されたため、事業を中断した。
20年度から、吉岡地区の地下水モニタリング調査を継続して行っており、現在はエヌ・イーサポートに3月31日まで委託している。
麻生裕文環境経済部長は、汚染残土が使用されたことについて、裁判や内部調査(ヒアリング)の内容を踏まえて原因を究明し、再発防止策を取りまとめ、3月議会で報告する方針を示した。