建通新聞社(静岡)
2023/01/25
【静岡】災害対策本部 建設業もリエゾン派遣
静岡県は、県出先事務所や市町の災害対策本部に静岡県建設業協会(石井源一会長)の会員企業をリエゾン(情報連絡員)として受け入れることを検討する。災害協定に基づいて出動する建設業との連携を強化し、災害時の体制強化や早期復旧につなげるのが狙いだ。まず、防災訓練などで建設業が参加した場合の効果などを検証し、効率的な体制を構築する。
1月20日に開いた県建協との意見交換会の中で、県が災害対策本部に建設業が参加する方向で検討する考えを示した。
県は台風15号の発生直後、孤立集落やライフラインの寸断といった被災状況の把握が遅れたことを教訓として、大規模災害が発生した際に市町に県職員をリエゾンとして派遣する方針を決めている。この機会に災害対策本部に建設業の参加も受け入れ、市町との連携に加え、応急復旧に当たる建設業との連携も深め、災害時の体制強化を図る。
国・県・市町が参加する災害対策本部に県建協の会員企業も参加してもらい、応急復旧の優先度の判断などに地域のインフラに精通した建設業の知見を生かす。県建協は、昨年10月に災害復旧に従事する建設業の愛称を「建設災害応急支援隊 C―DEST(シーディスト)」に決めており、県も会員企業などがC―DESTの代表として災害対策本部に参加することを想定している。
意見交換会ではこの他、県建協が応急復旧の標準積算と実働に乖離(かいり)が生じるとして、実働作業に合わせた積算単価で契約・精算できるよう要望。県は21年1月に標準積算と実働が合わない場合、見積もりを活用して積算するよう通知しており、この通知を順守するよう、改めて周知するとした。
また、県建協は、応急復旧でも通常工事と同じ書類の提出を求められることを問題視。出来形確認にも長時間が必要になるために精算が遅れるなどと指摘し、提出書類の削減や精算一時金の支払いなどの対応を求めた。県は作成に手間のかかる書類などを精査し、書類作成の負担軽減を検討するとした他、速やかな検査・支払いを周知するなどとした。