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建設経済新聞社
2023/01/24

【京都】1兆0302億円台の令和5年度当初予算案 北部医療センター、南丹警察署建替えへ構想や計画費 府立学校空調更新に20億円規模

 京都府の西脇隆俊知事は23日、定例会見で令和5年度当初予算案の概要を発表した。
 令和5年度当初予算案は1兆0302億円台(一般会計ベース)。25億円台の令和4年度2月補正予算案と14ヵ月予算として一体的に編成。当初と補正を合わせた合計は1兆0327億円台となり、当初予算ベースで比較すると前年度比2・9%減。
 建設関連の主な内容をみると、新規で保育環境等向上支援事業費に8000万円規模を計上。保育の質向上のための施設整備(遊具の整備や園舎・園庭の設備整備等)などに費用を充てる。
 新規で医科大学施設整備推進費に3000万円規模を計上。感染症への即応など医療を取り巻く環境変化に対応した施設整備計画を策定し、建物の老朽化への対応と高度急性期・先進医療を担う病院としての機能を強化する。
 新規で北部医療センター基本構想策定費に900万円規模を計上。早期の建替えを目指し、将来の医療需要に対応できる新病院の整備内容を検討する(北部医療センターの担うべき機能・方向性は▽北部地域の中核病院としての地域医療の確保・充実▽災害拠点病院としての機能強化▽大学の附属病院としての教育・研究機能の充実)。
 府立看護学校整備検討費に100万円規模を計上。北部地域の看護師確保に向けた看護学校の機能拡充・整備等を検討する。
 危機管理センター整備費に3億8000万円規模を計上。令和5年度からの一部稼働、6年度の本格稼働に向け必要な経費に充てる。
 新規で南丹警察署建設計画費に100万円規模を計上した。本館は府内で最も古い建物。老朽化が著しく、耐震性が不足しているため、建替えに向けた基本計画策定費に充て検討に入る。
 府立学校教育環境整備事業費に20億円規模を計上。府立学校等の空調設備について、耐用年数(13年)を超過し老朽化していることから3年間で更新する計画。特に児童・生徒が利用する普通教室、特別教室を優先的に更新する。
 産業創造リーディングゾーン推進事業費に3億7000万円規模を計上した。
 このうち産業創造リーディングゾーン総合推進費に1000万円規模を計上。リーディング推進員を配置し、優良な海外企業やスタートアップ企業誘致を推進する。
 ZET−valley推進事業費に1000万円規模を計上。脱炭素のまちづくりのための技術融合を図る交流拠点(オープンイノベーション拠点)整備に向けた検討を行う。
 京都フードテック推進事業費に1億9000万円規模を計上。主な取組内容は、▽京都フードテック研究連絡会議の設置・運営→府・大学・研究機関・フードテック企業等多様な団体▽食関連事業者のフードテック活用に向けた課題掘り起こし▽京都フードテックエキスポ2023の開催やフードテックを活用した商品開発・サービス実用化等を支援。
 アート&テクノロジー・ヴィレッジ推進事業費に3000万円規模を計上。備品等を整備する費用等に充てる。大山崎町に建設のアート&テクノロジー・ヴィレッジ京都は令和5年10月に開設予定。
 新規でグローバル・スタートアップ・エコシステム構築事業費に5000万円規模を計上。外国人起業家の集積を図るため、長期滞在型プログラム等による海外人材の誘致やアドバイザーの設置によるビジネス・生活両面の支援を実施。またアジア最大級の国際スタートアップイベントを令和5年6月に開催予定。
 令和5年3月27日の文化庁の京都移転を見据え、「文化の都・京都」プロジェクト連携事業費に1億8000万円規模を計上。様々な取組を集中的に展開し、「文化の都・京都」を国内外に発信する。
 旧本館ルネサンス事業費に1000万円規模を計上。京都府庁の旧本館を「文化の都・京都」の象徴にふさわしい施設に再整備する。重要文化財としての意匠的価値を損なわない耐震補強等について、(学識経験者等で構成する)専門家会議で検討し、工法を決定する。また平成19年の保存活用計画でカフェの設置が盛り込まれていたことを踏まえ、府民に「憩い」の場を提供できるカフェの設置など新たな利活用方策を検討する。
 丹後郷土資料館整備推進費に4000万円規模を計上。令和8年度のリニューアルオープンを目指し、設計などの取組を進める。
 北山エリア整備関連事業費に3000万円規模を計上。再整備を行う府立植物園、府立大学等の共同体育館(アリーナ)、旧府立総合資料館跡地に計画の舞台芸術・視覚芸術拠点施設(シアターコンプレックス)について、各施設の整備内容や事業手法の調査・検討を行う。植物園は令和6年の開園100周年に向け、博物館機能や植物多様性保全に関する研究機能の強化などについて検討する。
 また新規で旧総合資料館敷地暫定活用事業費に3億6000万円規模を計上。京都市左京区の旧総合資料館跡地について、本格的な活用までの間、民間の創意工夫を活かし、既存建物の解体撤去及び敷地の暫定的な活用を一体的に実施。令和5・6年度の2ヵ年で行いたい考え。
 新規で京都府総合計画推進費に1000万円規模を計上。1年前倒しで令和4年度に策定した新総合計画について、「広域連携プロジェクト」の推進のための取組検討や会議の開催などを行う。
 新規で大阪・関西万博きょうとの魅力発信事業費に2000万円規模を計上。万博開催に向けた京都府域での機運醸成・誘客促進や京都ブースの展示設計を実施する。
 新規で向日町競輪場基本構想策定費に100万円規模を計上。整備のコンセプト、競輪事業継続に必要な施設整備の内容等を検討する。
 道路整備等の公共事業に593億円規模を計上。新総合計画の8つのビジョン([安心]@安心できる健康・医療・福祉の実現A災害・犯罪等からの安心・安全の実現、[温もり]B子育て環境日本一・京都の実現C誰もが活躍できる生涯現役・共生京都の実現D共生による環境先進地・京都の実現、[ゆめ実現]E未来を拓く京都産業の実現F文化の力で世界に貢献する京都の実現G交流と連携による活力ある京都の実現)を支える人・物・情報・日々の生活の基盤づくりを着実に推進。鴨川(京都市)、国道307号(市辺〜奈島)(城陽市)、国道423号法貴バイパス(亀岡市)、国道312号大宮峰山インター線(京丹後市)などで整備を進める。
 新規で山陰近畿自動車道整備促進事業費に7000万円規模を計上。早期全線開通に向け、ルートが未確定な区間(網野から兵庫県境までの区間)の都市計画決定に必要な調査を実施する。
 地域交通総合対策費に13億円規模を計上。駅のバリアフリー化や鉄道施設の耐震化への支援のほか、安全性向上のための設備整備への支援などに充当する。
 行財政改革の取組として、歳入確保の取組(未利用地の売却等)に約36億円を見込む。
 予算案のほか、条例関係として部制設置条例の一部を改正する条例案などを2月2日開会予定の2月議会に提出する。