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建通新聞社四国
2023/01/24

【高知】県 永瀬ダム再生計画案策定に着手へ

 高知県土木部は、永瀬ダムの再生計画案策定に着手する。2022年2月に開かれた物部川濁水対策協議会で堆砂対策の必要性が提言され、物部川の河川整備基本方針変更や上流部での豪雨災害への対応など、さまざまな課題があることから、下流部の吉野ダムと杉田ダムとも連携し、治水、利水、堆砂に関する計画を策定し、最適な組み合わせを検討する。
 堆砂対策に向けては、土砂掘削や浚渫を短期的に実施し、長期的にはバイパスによる排砂を想定している。これを踏まえ、施設の改造や改良のための工事内容について検討を進める。
 治水対策に関しては、気候変動への対応や流域治水計画を踏まえ、吉野ダム、杉田ダムとの連携を前提に改造メニューを立案し、容量の再編計画もまとめる。
 利水対策に向けても施設改造のための工事内容や工法を検討する。ただし、この3ダムでは県公営企業局による発電事業を実施していることから、利水容量の過不足や将来的な渇水リスクを踏まえ、段階的な整備方針を取りまとめる。
 これらの検討内容を踏まえ、堤体や放流設備の改造、排砂方法の整備についての基本設計を行い、概算事業費を算出する。さらに計画段階評価や新規事業採択時評価の検討、堤体周辺の地質調査に向けた計画も実施する。
 県では2月7日開札の入札を経て業務委託先を決め、24年3月25日の納期で作業を進める。その後、国土交通省との協議や現地での地質調査などを行い、具体的な計画を作り込む。
 永瀬ダムは1957年に完成した重力式コンクリートダム。堤高87b、総貯水容量5880万立方b、有効貯水容量4530万立方bの規模で、洪水調節、流水の正常な機能維持、発電に活用している。所在地は左岸が香美市香北町永瀬、右岸が香美市物部町柳瀬。
提供:建通新聞社