県南部土木事務所は、草津市北大萱町地先に位置する「新葉山川橋」の修繕工事を実施する。このほど担当コンサルタントをエースに決定、6月中旬頃の業務完了を目指す。工事については緊急度が高いため、早ければ9月の公告発注、出水期を避けた10月下旬の工事着手を見込んでいる。
対象となる「新葉山川橋」は、草津市北大萱町地先を通る主要地方道大津守山近江八幡線(浜街道)において、1970年(昭和45年)に供用開始された橋長40・95b、幅員7・3bの鋼橋。上部工形式は、鋼橋H型鋼2連、下部工形式は半重力式橋台2基、橋脚はT型橋脚柱小判型1基となる。同橋は21年度(令和3年度)に、5年に一度行われる法令点検を実施、架橋してから50年以上経過し老朽化が進んでいることから、主桁支点付近重集中箇所となる垂直補剛材に変形・欠損を発見した。同事務所は、今回、欠損している場所が重要な箇所であることから、健全度3判定に位置付けされ早急な対応が必要と判断し、今年度から設計業務に取り掛かり来年度着工を目指す。現段階では、主桁の欠損部分を当て板補強などで対応を予定しているが、今回の設計内容によって変更は十分に考えられるとしている。
その他、下部工では梁部のひび割れ、うき、胸壁の漏水、遊離石灰など、支承本体の防食機能の劣化や沓座モルタルにうき、橋面では高欄にひび割れ、剥離・鉄筋露出、伸縮装置の土砂詰まり、橋台の堅壁のひび割れなど今回の点検で発見されたため、この対応も含め修繕設計を進めていく。また工事中の交通対応としては、主に橋の主桁となるため橋梁の下に足場を作る間は、片道規制を行うが足場完成後は交通規制を解除し通常運行する。
県内では、11年度(平成23年度)から進めている橋梁長寿命化修繕計画に基づき、橋長15b以上を対象に損傷が大きくなってから対策を行う事後保全から、損傷が大きくなる前にきめ細やかな修繕を繰り返す予防保全を行っており、同事務所でも管轄エリア内の大半を予防保全に切り替えを終え、更なる維持管理コストの縮減、平準化、道路ネットワークの安全性・信頼性の確保等を目指す。
提供:滋賀産業新聞