トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2023/01/20

【神奈川】横浜市 中大口径管次期包括委託、対象拡大

 横浜市環境創造局は、2021年度にスタートした包括的民間委託による中大口径管の維持管理で、今期(21〜23年度)包括委託の効果が認められるため24〜27年度の次期も活用する方針を決めた。対象施設に雨水調整池や貯留管、吐口を追加することや、全体の調査をスピードアップして早期に完了させ28年度以降の維持管理方針を検討することなどの次期スキーム案をまとめ、1月17日、第9回下水道管路の包括的民間委託検討部会(部会長・滝沢智東京大学大学院工学系研究科教授)で説明した。
 横浜市内の内径800_以上の中大口径管の総延長は約1900`。このうち敷設後30年が経過する約1500`を21〜30年度の10年間で調査するため、市は調査と清掃、修繕をパッケージにした包括的民間委託を導入。21年度に公募型プロポーザル方式で今期3カ年の委託先2者を決め、業務を開始した。
 包括委託の効果は初年度から顕著に表れ、調査効率は従来方式と比較して3割程度アップし、異常箇所の発見は2割程度減少した。これは調査と修繕を同時に実施するため、調査時点で「まだ修繕する段階ではない」と判断できた箇所をカウントから除外したため。21年度に市の直接対応が必要だったのは異常171カ所中3カ所にとどまった。

〜課題整理、対象施設拡大も〜

 これらのレビューを踏まえ、市は次期4カ年についても包括委託を継続する方針を固めた。今期の振り返りで見いだした課題としては▽自由度の高い包括委託▽一部業務内容の見直しや再構成▽新技術の積極的な活用―などを挙げた。
 また、対象施設も拡大し、▽雨水調整池10カ所▽雨水貯留管約40`▽吐口約600カ所―を追加、点検することとした。これらの施設は激甚化する豪雨への対応機能を維持するため、30年経過していなくても土砂の堆積など状態把握を行う必要があるからだ。
 課題のうち「自由度の高い包括」に対しては、新しい技術を積極的に活用するよう詳細調査業務を見直す。具体的には調査手法を潜行目視やTVカメラ調査に限定せず、民間独自の新しい手法の採用を促進する。
 「一部業務内容の見直し」では、「統括マネジメント」として一括している▽業務間調整▽進捗管理▽関連機関との協議・調整▽申請業務▽維持管理情報のデータベース化▽業務従事者への指導―などを「連絡調整業務」と「各種検討業務」に分ける。
 業務ごと・年度ごとに設定している上限額も見直し、年度ごとの限度額のみ設定する。緊急業務が想定より少ない場合でも柔軟に対応できるようにする。
 次期包括委託の発注は今期と同様、公募型プロポーザル方式による。今期は市内を南北に分け2件で発注したが、次期は民間の意見を踏まえて市全域を1件とする見込み。
 次回の検討部会は5月ごろの開催を予定している。
提供:建通新聞社