横浜市環境創造局は、「横浜みどり税」を財源の一部に活用する「横浜みどりアップ計画」の計画期間が2023年度で満了となるため、24〜28年度を計画期間とする次期計画での取り組み素案を示した。取り組みの柱を三つ設け、緑地保全制度により180fの緑を保全する他、5カ所の市民の森や19・5fの農園開設、水田115fの保全、幼稚園など100カ所での緑化助成などの施策を通して、緑豊かな美しいまちづくりを目指す。総事業費は最大で450億円を見込む。1月31日まで素案に対する市民意見を募集し、意見を反映した原案を23年第2回市会定例会常任委員会で報告する。
〜市民の森5カ所開設〜
一つ目の取り組みの柱は「市民とともに次世代につなぐ森を育む」。
市内の緑の総量を維持するため、特別緑地保全地区などの緑地保全制度により、5カ年で樹林地180fを指定して保全することを目指す。指定された樹林地のうち、市へ買い入れの申し出があった場合、面積100fまで買い取る。
市独自の緑地保全制度である「市民の森」は、市民が自然に親しむ散策路などを整備するもの。28年度までに新たに5カ所を開園する。
〜水田保全は115f〜
二つ目は「市民が身近に農を感じる場をつくる」。
良好な水田景観を保全するため、今後10年間水稲作付を継続する水田面積は115fとすることを目指す。農業従事者の死去による相続や畑作地化に伴う水田の減少、土地所有者が新たに10年間継続する意向を示したことによる増加など、年度により面積は増減し、21年度末時点の実績は112・2fとなっている。水田の水源・水路を確保するための井戸や水路などの設置改修を25件まで、畑作地の農景観の保全のためかんがい施設の整備に40件まで支援を行う。遊休農地の復元については、維持管理がなされず荒れた農地3fの現状復元の整備費を支援する。
市民と農の関わりを深めるため、総面積19・5fの農園を新たに開設する。民間による「収穫体験農園」や「市民農園」の開設を支援するとともに、市は市民に区画貸しができる分区園がある「農園付き公園」を整備する。
地産地消を推進するため、市内の植木農家や花き農家が生産した苗木や花苗を市民に配布したり、公共施設や農地周辺部への植栽に活用したりする。
〜幼稚園など100カ所を緑化〜
三つ目は「市民が実感できる緑や花をつくる」。
市民の目に触れる機会の多い公共施設や公有地で緑のオープンスペースを新たに設ける他、街路樹の適切な維持管理により、良好な景観づくりを進める。
子どもが緑に触れる機会を創出するため、保育園・幼稚園・小中学校100カ所で園庭・校庭の芝生化や花壇づくり、屋上・壁面の緑化などに取り組む。
提供:建通新聞社