国土交通省紀勢国道事務所は1月14日、2019年に事業化した近畿自動車道紀勢線国道42号紀宝熊野道路の中心杭打ち式を御浜町内で開いた。今後は、工事着手に向けて幅杭打設や用地補償、工事説明などを進める。
関係者約50人が出席し開かれた式で、国交省中部地方整備局の稲田雅裕局長は「災害に強い道路ネットワークの構築など多くの効果が期待される。1日も早い完成に向けて全力で事業を推進したい」と意欲を示し「今後、用地確保や調査など着実に進めなくてはならない。そのためには地元の理解と協力が欠かせない」とあいさつした。
同道路は、紀勢線の一部区間で14年に事業化した熊野道路と連絡し、熊野インターチェンジ(IC)(仮称)から以南の道路となる。起点は熊野市久生屋町で、終点が紀宝町神内。延長は15・6`。区間内には御浜IC(仮称)を整備し、終点の紀宝IC(仮称)で新宮紀宝道路と連絡する。
道路が開通すれば、高規格道路のミッシングリンク解消と直轄国道とのダブルネットワーク化による道路ネットワーク機能を強化することができることからさまざまな方面で効果が期待される。自然災害発生時には、東紀州(紀南)広域防災拠点(熊野市久生屋町)からの支援ルートの確保が可能となり、迅速な救助活動支援が行える。救急医療活動の面でも支援の幅が広がり、紀南病院から約120`離れた高度医療を行える伊勢赤十字病院までの所要時間短縮できる。紀勢線の一部ということから東紀州地域の連携強化をはじめ、アクセス向上による観光誘客などへの効果にも寄与できるとしている。現在の進捗状況は、調査・設計中を行っており、完成時期は未定。
提供:建通新聞社