福井県の杉本達治知事へ、新年挨拶のため12日、関西電力の森望社長、日本原子力発電の村松衛社長、日本原子力研究開発機構の小口正範理事長らが、県庁を訪ねた。中間貯蔵施設の県外候補地の確定(最終年限2023年末)など、それぞれに重要課題の解決にむけて、決意と覚悟を示した。
杉本達治知事は、関電の森社長に対し、立地地域の雇用面や産業振興への力添えに、まずは感謝を述べた。その上で、とりわけ中間貯蔵施設の県外候補地確定について、こう注文。「現時点で計画地を示してもらえなかったことは残念。あと一年を完全に切る状況。そもそも1年あるでは、まったくおぼつかない。年末まで、ではなく、一日も早く結論を出してほしい。国(西村康稔大臣)にも常にお願いをし、国も主体的に、前面に立って取り組む、と頂く状況。国としっかり連携し、結論を出してほしい」と強調。また、「事業者と、立地自治体の信頼関係は、約束を守ること。原発の継続は、安全が最優先。日々の点検や定期点検など、安全で安定的な運転が一番。関電にとってもプラスになるはず」と指摘した。
関電の森社長は、原発の使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設の県外候補地確定に関して、「弊社の最重要課題の一つと認識。本年は計画地点を確定させる年限の年。その実現へ、決意も新たに、国や電事連(電気事業連合会)などと連携。あらゆる可能性を全力で追求する。具体的には、私自身が先頭に立ち、国や電事連等のトップレベルと面談を重ね、関係役員も頻度たかく、関係先のキーパーソンに働きかけをしている状況。プロジェクトチームも実務レベルで調整、検討作業を進める状況(詳細は説明できないが)。私以下、一丸となり、総力を尽くしているところ。トップの覚悟とリーダーシップが最も大事(昨年7月に知事指摘)を肝に命じ、期限までに地点を確定できるよう、不退転の覚悟で臨む」と、明言した。