三重県と滋賀県は、名神高速道路八日市インターチェンジ(IC)付近から名阪国道上柘植IC付近に至る「名神名阪連絡道路」の整備を計画している。概略ルート検討に向けて、2022年末に第1回有識者委員会を開き、政策目標や今後の流れなどについて協議した。次のステップとして今回、地域課題を収集するため、アンケート調査、住民説明会、オープンハウス(パネル展示など)を行う。
名神名阪連絡道路は、滋賀県東近江市から伊賀市まで延長約30`の道路。産業集積地でありながら、南北方向をつなぐ高速道路が整備されていないため、防災面での課題をはじめ、物流、交通安全、観光の面で課題が山積する。現在、八日市ICから上柘植ICまでの通過交通には国道307号、県道4号草津伊賀線が利用されている。大型車が半数以上を占め、八日市IC付近を県外ナンバープレートの車が半数程度通過し、上柘植IC付近の甲賀市では約7割が県外ナンバープレートの車が通過している。
道路交通の課題として防災面で高規格幹線道路のラダー(東西軸を結ぶ南北線)が他地域と比べ間隔が非常に広い区間となっている。平均間隔の約21`に対し同地域は78・3`もあることから、迂回機能がない状態となっている。これらを解消するための新たな道路整備となる。
今後のスケジュールは、1カ月かけて各地で住民説明会を行うとともに、道の駅などでのオープンハウス、ホームページ(2月19日まで)での意見を聴取した後、2回目の有識者委員会を開き、意見聴取の結果確認、3案からなるルート帯の方針を決定する。有識者委員会での結果を基に、ルート帯に関する意見聴取を行い、3回目の有識者委員会でルート帯を決定する予定だ。
提供:建通新聞社