松山市の庁舎全体(本庁舎)の在り方や新庁舎に必要な機能などを整理する「市新庁舎整備検討審議会」(会長・山本康友東京都立大学客員教授)の第2回会合が12月16日に開かれ、市が新庁舎のコンセプト・基本方針案や延べ床面積4万9000平方b〜3万8000平方bの規模で検討する考えを示した。市は年度末までの審議会による基本構想案取りまとめを目指している。
市は、▽市民が利用しやすく親しみやすい庁舎▽災害対策拠点として安全・安心な庁舎▽全ての人にやさしい庁舎▽環境対策に配慮した庁舎▽社会環境の変化に柔軟に対応できる庁舎―の5項目を基本方針とし、新庁舎の規模や整備場所、整備概要などを盛り込んだ基本構想をまとめる。
必要な庁舎の規模については現在の延べ床面積3万8000平方bを下限に、職員数などから上限を4万9000平方b程度と算出した。今後は窓口スペースやバリアフリー対応に必要なスペースの確保に十分配慮しつつもユニバーサルレイアウトの導入や執務室・収納スペースの効率的な配置などを検討し、支障のない範囲で規模縮小も行った上で適正な規模を判断していくとした。
また建設候補地(現本館の敷地1万2846平方b)となる一帯は市景観計画により50bの高さ制限があることや、本庁舎の駐車場・駐輪場の規模について現状を説明し、必要台数を確保するとした。
審議会では今後、年度末までに3回会合を重ね、本庁舎が抱える老朽化や狭隘(きょうあい)化・分散化、書庫・倉庫不足などの課題に加え、大規模災害に対する備え、ICT対応、環境への配慮なども考慮した新庁舎の基本構想案をまとめる。
市はこの案を基に23年度にパブリックコメントや市議会への報告などを経て基本構想を策定。引き続き審議会を通じて24年度の基本計画作成を目指す。基本計画の作成以降はPFI導入可能性調査を実施し、今後の事業手法などを決定する考え。
新庁舎整備基本構想・基本計画策定および策定支援業務は梓設計関西支社(大阪市北区)を代表とする「梓・矢野・IRCコンソーシアム」が担当している。
提供:建通新聞社