高知県土木部は、奈半利川の環境改善を目的として計画している「清水バイパス」について、管路の設置場所を変更する。これに伴い今後のスケジュールも見直すため、2023年1月に開催予定の「奈半利川水利対策協議会」で示せるよう関係者との協議を進める。当初は23年度の着工を予定していたが、数年遅れる見通しとなっている。
奈半利川では洪水時に濁水が発生することから、県は抜本的な対策として、北川村の平鍋ダム上流3`地点に合流している支川の小川川から澄んだ水を取水しダム下流に放流する管路「清水バイパス」の設置を計画、奈半利川の左岸側を通るルートを検討してきた。
しかし管路の中間付近にある平鍋橋から下流部では、100人以上の相続者がいる共有地が複数あり、用地買収が非常に困難であることが分かった。そのため、ダムを管理する電源開発と協議し、ダム湖の土地に管路を設置するよう計画を変更する。これに伴い、急勾配の法面上に管路を設置する区間があることから、管路を支える台座の設置などを追加する。
これまで20〜22年度に用地取得と設計を進め、23年度に着工し、27年度までに完了する計画だったが、スケジュールを見直す。当初計画していた管路の延長3620bは、ルート変更後も大きく変わらない見込み。
提供:建通新聞社