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建設経済新聞社
2023/01/06

【京都】企業立地を令和7年度に50件目指し 構想策定、令和5年度に予算化

 京都市はこのほど、企業立地促進プロジェクト(構想)をとりまとめ。京都駅南部などオフィス・ラボ誘導エリアへの立地促進などの取組を行い、年間企業立地件数(市内企業の事業拡大と企業誘致の件数)を直近3年の平均約32件のおよそ1・5倍となる50件(令和7年度)とするKPI(重要業績評価指標)を設定した。今後、関連費を盛り込んだ令和5年度当初予算案を2月市会に提出し、3月末予定の都市計画審議会に都市計画案を諮った上で令和5年度早期にオフィス・ラボ誘導エリアにおける新制度等の開始を目指す。
 構想によると「オフィス空間・産業用地の創出」と「企業立地支援」を両輪に、切れ目のないサポートで企業立地を促進する。
 令和5年度からの具体的な取組として、都市の活力を生み出す都心部や、ものづくり産業の基盤となる工業の集積地、知恵産業に貢献する研究開発拠点など、市内各地域の特色を活かした企業立地(市内企業の事業拡大・企業誘致)を促進。「創造」を引き出す都市計画の見直しを行う。
 なかでも、新たなオフィス・ラボ機能の集積を目指し都市計画の見直しを行うエリアをオフィス・ラボ誘導エリアに設定して立地を促進する。

京都駅南部などにオフィス誘導
大規模ビル建設の支援制度新設


 都市計画の見直しを行う「京都駅南部」及び「らくなん進都(鴨川以北)」をオフィス・ラボ誘導エリアに設定。当該エリアへのオフィス・ラボの建設や企業進出の支援策をパッケージ化して立地を支援する。これにより京都市内中心部に集中しているオフィスの立地を誘導する。
 「京都駅南部」の九条烏丸、九条河原町等は、容積率を現行200%・300%・400%・600%から「600%」に引き上げ、高度地区は現行20m・25mから「31m」(オフィス・ラボに限る)に引き上げる等の都市計画の見直しを行う。
 「らくなん進都(鴨川以北)」は、市初の「特定用途誘導地区」を活用。誘導施設のオフィス・ラボは容積率を上乗せする(敷地面積に応じて容積率が600%〜1000%に引き上げ。壁面後退、緑地等の整備などの要件あり)。
 都市計画の見直しと5つの支援策をパッケージ化。支援策は、新規で@大規模テナントオフィスビル建設に対する支援制度新設(誘導エリア限定)Aレンタルラボ建設に対する支援制度新設。
 充実させるのは、B本社(賃貸含む)等の新増設に対する支援制度(補助率を2割上乗せ、中小企業100%→120%、大企業50%→60%(誘導エリア等限定)。支援対象に本社に加えて支社などを追加)、Cオフィスの市内初進出に対する支援制度(支援の上限を市内居住の常時雇用者数10人→50人に拡大)。
 また、ベンチャー企業の市内事業拡大への支援策として、D事業拡大による市内の公的インキュベーション施設から市内の貸工場などへの移転に対する支援制度を充実させる(支援の要件(設備取得額・雇用者数)の緩和)。
 進出企業と学生等との交流会などにより接点を創出し、進出企業の新卒・インターン等の確保を支援するほか、進出を検討中の企業や進出済の企業が困りごとや連携を相談できる京都の民間コミュニティへの接続や進出企業間のコミュニティ形成を促進し、進出企業の定着を支援する施策を新たに始める。
 このほか、ビジネス拠点として市内各地域の特性・ブランド力を発信し、首都圏等の市外企業への知名度向上を図り、企業の進出を促進する(地域例…梅小路京都西駅エリア→クリエイティブタウン、京都駅東部・東南部エリア→アート)。