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日刊建設工業新聞
2023/01/10

【鳥取】県土整備部/総評の運用状況まとまる/2月、県測協と意見交換

今年度から本格実施している「測量等業務」の総合評価について、県土整備部は上半期(9月末)までの運用状況をまとめ、県測量設計業協会(澤克生会長)の役員に説明した。同部は改善点があれば見直す姿勢で、課題を集約して2月に県測協の各会員と意見交換する。
 土木コンの総合評価は、本年度上期までに簡便型(800万円以上)が63件と全体発注量の67・0%(21年度52・9%)、地域密着型(300万円以上800万円未満)は11件で同71・2%(同63・2%)を占め、目標にしていた全体発注量の6割程度を上回った。
 平均落札率は総合評価94・3%に対し価格競争は90・2%と、総合評価は高い落札率を維持しており、低価格防止に一定の効果が認められた。
 業務成績の平均では、価格競争92・2点が総合評価(簡便型)90・7点を上回り、総合評価の目的とする品質向上には必ずしも結び付いていない。ただ、高価格帯の業務は好成績の傾向にあり、総合評価の浸透とともに業務成績も上向くことが予想される。

 中位グループ受注増

 注目される受注状況では、各社の保有技術者数をもとに上位(40人以上6社)、中位(23〜39人17社)、下位(22人以下19社)の各グループに区分け。現行制度になった昨年度は下位グループの受注機会が増加したものの、今年度に入ってからは中位グループの受注割合が大きく伸びた反面、下位グループは減少しており、受注バランスの推移を注意深く見守る必要がありそうだ。
 一方、受注件数と受注額は、下位グループの占める割合が増えており、総合評価にセーフティネット機能が一定程度働いていることが分かった。受注件数では中位グループが上位グループを上回っているが、受注総額は拮抗(きっこう)しており、上位グループが高価格帯の業務を優先して受注に向かう傾向が見られた。
 今後の課題には、総合評価になじまない業務内容がないか、若手技術者に実績を積ませる「チャレンジ型業務」の導入などがあり、県測協は1月内に協会内の意見を集約して2月に同部との懇談に臨む。
 同部の前田達美次長は、総合評価について「手探りで進めている面がある。受注額減点(1件目の30点)にしても、これで良いのか。協会でも改善点をまとめてほしい」と話している。

 開札当日に落札決定
  システム改修検討

 そのほか同部は、総合評価の落札決定を開札日当日にできないか検討に入っている。現状では異議申立期間を取って開札日翌日に決定している。応札時には自社の採点を確認できるようシステム改修し、開札日の午後4時に落札決定する仕組み。受注額減点は開札日翌日の入札に反映できる。


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