三重県戦略企画部は、「ゼロエミッションみえ」プロジェクトで実施する取り組みの推進方針を現在検討しており、骨子についてまとめた。取り組み期間は中期計画「みえ元気プラン」の期間と合わせた2027年3月まで。今後、各部局と連携し、総合調整を行いながら策定作業を進める。
同プロジェクトは、カーボンニュートラル(CN)の実現に向けて、温室効果ガス排出削減や気候変動をビジネスチャンスととらえる企業などを国のグリーン成長戦略に沿う形で支援し、県内の産業・経済の発展につなげることを目的としている。
プロジェクトの方向性に@自動車分野のEV化やサプライチェーン再編などへの対応Aカーボンニュートラルコンビナートへの転換促進Bカーボンニュートラルポート(CNP)の整備促進C再生可能エネルギーの導入・利用促進DCo2排出削減のための高度な技術を活用したリサイクルなどの促進ECo2吸収源対策を契機とした林業などの活性化―の六つを設定する。
このうち、三つ目のCNPでは、四日市港、津松阪港、尾鷲港を対象とし、水素・燃料アンモニアなどの輸入や貯蔵を可能とする受け入れ環境の整備、港湾機能の高度化といったことを中期的に目指すべき姿とした。当面の方向性には、四日市港は荷役設備など港湾施設のCN化を進めるとともに、CNP形成計画の実行を挙げ、津松阪港と尾鷲港では、港湾関係者と利用方策の検討、協働を進める。
五つ目のリサイクルでは、太陽光パネルと蓄電池の効率的なリサイクル技術が広がっていることを目指すべき姿に掲げ、5年後にはパイロットプラントが稼働しているとした。当面の方向性としては、現在の排出量や処理実態、将来の排出見込みの調査を行うとともに、研究・開発・施設整備への支援を行う。
提供:建通新聞社