日本工業経済新聞社(群馬)
2022/12/27
【群馬】中之条新町長の外丸茂樹氏インタビュー
任期満了に伴う中之条町長選で、11月15日の告示とともに外丸茂樹氏が当選した。外丸新町長は「あなたとともに創る希望の持てる町」として、町民の意見を聞き、知恵を出し合う「共創の町づくり」を推進していく。今後、義務教育学校整備も視野にいれた六合地区の学校問題についても取り組むとした。公約として◇町民の声を聴きさまざまな施策を推進◇中之条ガーデンズの運営見直し◇地域コミュニティ応援制度構築◇人口減少に対応する財政健全化―を掲げる。今後どのように町政を行っていくか取材した。
−就任しての抱負は
外丸 20年後には1万人を割り込むことが想定されているが、人口が減ってる事を憂うのではなく、皆で元気よく楽しく暮らせるような、小さくても元気な町づくりを推進していきたい。今までは行政から「お願いします」という形だったが、皆で知恵を出しあって進めていく。
また、政策にある子育て支援を進めていく。子育てをする若い世代が中之条町に誇りを持てて、中之条町で就職してもらうことで、間接的にお年寄りの支えになると考える。
−町の課題について
外丸 六合地区との統合時は1万8000人だったが、現在の人口は、約1万5000人となっており、4年前から1000人減少した。今後も減少が予想されており、20年後には1万人を割り込むとされている。一方で、町の年間予算は急激に膨れ上がり、100億円を超えるなど、近い将来に財政は大変厳しくなることが想定されている。町の事業を総点検し、財政の健全化を進めていく。
−公共事業について
外丸 現在はある程度、インフラなどが整っている状態で、時勢的にも公共事業は減ってきている。とはいえ、中之条町の工事は可能な限り地元の建設会社へ発注していく。閉業してしまうと雇用が減る事となってしまうので、雇用確保の面でも町としても、そういった仕組みが必要になっていくるのではと考えている。
人口減少に対応する財政健全化は「町の事業、施設の総点検」ではソフト事業についてが主となる。町内では多くの事業があり、例えば10年も続く事業で成果が可視化されているものについて見直しを行う。ハード事業がしにくい時代だが、道路や河川、橋など生活の基盤となる物が痛んだ場合には、行うべき事業を行っていく。
また、同町では学校の統合により、利用されていない小中学校舎が存在する。空き施設のほか、利用頻度の少ない施設も多くなってきている現状。使える施設は、解体ばかりではなく必要があれば改修を行い、再利用や再活用を進めていく。
大きい施設では西中学校(下沢渡575)で校舎が手つかずになっている状態。周辺住民の声を取り入れながら、活用を優先的に考えていきたい。
六合の学校問題としては、町長就任以前に六合中学校と中之条中学校の統合案も出ていた。六合地区は中之条中学から20〜30q離れており、地元住民も小中学校いずれかの校舎を利用し、小中統一の義務教育学校として存続を希望している。六合地区の住民の声を聞きながら方向性を検討していきたい。
−建設業界へのメッセージ
外丸 建設業は地域を支える産業でもある。また、冬に建設業、夏は農業に従事する農家が多く、建設業は非常に地域とのつながりが大きく深い。是非、建設業の方々にこれからも地域貢献をお願いしていきたい。地域の現状にあった形で建設業にお力添えを頂きたい。