三重県農林水産部は、2023年度当初予算に456億0679万円を要求した。22年度当初予算額の380億1683万円と比べ20%増加した。このうち、公共事業は要求額が232億4124万円で、22年度と比べ23・9%増えた。
公共事業を事業別に見ると、国補公共事業が167億4985万円(前年度比54・8%増)、直轄事業が3億6996万円(同48・9%減)、県単公共事業が34億6785万円(同24・6%減)、受託公共事業が2億8155万円(同13・3%増)、災害復旧事業が23億7202万円(同0・3%増)となった。
大規模臨時的経費として施設改修を行う事業では、種子乾燥調整作業機械施設改修などに7562万円、畜産業試験研究管理費の受変電設備更新などに6136万円、農業大学校学生寮設備改修に5251万円、林業研究所木材試験棟の外壁・屋根塗装などに1842万円、水産業研究施設養殖試験生け簀更新などに5344万円、漁業取締船係留施設更新などに1億0148万円、栽培漁業センター設備・機器更新に1210万円を計上した。
中期計画「みえ元気プラン」の施策ごとの取り組みでは、農業の振興で高収益型畜産連携体育成事業に6億4009万円、高度水利機能確保基盤整備事業に30億9756万円を充てた。高度水利機能確保基盤整備事業では、ほ場の大区画化や用水路のパイプライン化といった農業生産基盤整備に取り組む。林業の振興と森林づくりでは、造林事業に4億2259万円、災害に強い森林づくり推進事業に3億5954万円、森林情報基盤整備事業に1億6011万円、林道事業に9億4193万円、「もっと県産材を使おう」推進事業に3315万円を付けた。県産材の推進事業は、木造費住宅建築物の設計支援など利用拡大を図るための予算措置となる。
水産業の振興では、県営漁港施設機能強化事業に7億1400万円、県営水産物供給基盤機能保全事業に1億8850万円、海女漁業等環境基盤整備事業に4億6567万円を配分した。県営漁港施設機能強化事業は、大規模自然災害による高潮・波浪・津波に備えるための防波堤嵩上げや耐震・津波対策を行う。
農村漁村の振興では、県営ため池等整備事業に14億1332万円、団体営ため池等整備事業に8億5135万円、基幹土地改良施設防災機能拡充保全事業に24億4252万円、県営中山間地域総合整備事業に8億0850万円を計上した。県営ため池等整備事業は、ため池整備などの予算として、団体営ため池等整備事業はため池の豪雨・耐震調査、整備に向けた実施設計策定支援予算に充てる。
災害に強い県土づくりでは、治山事業に36億4719万円、海岸保全施設整備事業に2億2750万円、県営漁港海岸保全事業に2億9400万円を付けた。
食の安全・安心と暮らしの衛生の確保では、食肉センター流通対策事業に1億3052万円を充当し、経営安定に向けた支援や食肉センターの将来的な施設の在り方について検討を進める。
提供:建通新聞社