公益社団法人日本建築士会連合会と各都道府県建築士会が主催する2022年第13回高校生の「建築甲子園」で、富山県代表の富山工業高校建築工学科チームの作品「奇跡の村の玄関。〜村民と子供たちとの暮らし方〜」が、優勝に選定されたことが分かった。全国制覇は、大会史上初の連覇を達成した2017年の第8回以来5年ぶり3回目。
優勝の快挙を果たした同校建築工学科チームのメンバーは、監督(教員)が太田明博氏、選手(生徒)が鈴木千寛さん、鉾井陽天さん、水口晴天さん、吉田直彦さん、和田龍之介さんの5人でいずれも3年生。
建築甲子園は、まちづくりをテーマとした全国設計コンペで、将来の日本の建築を担う工業高校などの生徒が対象。都道府県の建築士会単位での審査となる県大会予選を勝ち抜き、選抜された1作品が全国選手権大会(連合会審査)に参加し、優勝を争う。
今回のテーマは、「地域のくらし−これからの地区センター」。地域コミュニティの核となる地区センターを、現況や従来型にとらわれず、応募者の興味に従って自由に描いてもらった。35都道府県から65校117点の応募があり、県予選を突破した35作品で全国大会が行われた。
11月初旬の一次審査でベスト11を選出(今回からベスト8は廃止)。12月初旬には、一次を通過した11校から提出されたプレゼン動画による最終審査が行われ、各賞が決定した。審査委員長は、建築家で東京藝術大学美術学部建築科名誉教授の片山和俊が務めた。
同校は、第7回と第8回に大会史上初の連覇を成し遂げ、第10回にベスト8の女性委員長特別賞、第12回にも同じくベスト8の青年委員長特別賞をそれぞれ受賞。新型コロナの影響で延期となった第11回を除き、直近開催の2大会で連続のベスト8入りを果たしており、常勝校としての実力を遺憾なく発揮した格好だ。
日本建築士会連合会と県建築士会の主催による表彰式は、2023年1月中旬以降に開催する方向で調整作業が進められており、片山審査委員長も来県する予定。
なお、今大会では、北陸地方の各県代表校から石川工業高等専門学校が準優勝、新潟工業高校がベスト11のまちづくり委員長特別賞をそれぞれ受賞。福井の武生商工高校は奨励賞だった。