愛媛県公営企業管理局は「県立今治病院」の老朽化対策などを念頭に進めている在り方検討について、年度末までに方向性を固める方針。12月県議会経済企業委員会で明らかにした。昨年5月に庁内組織によるプロジェクトチームを立ち上げ、これまで大規模改造など圏域医療の維持や機能強化を前提とする内容をはじめ、医療提供の見直しによる再編・縮小なども含め多角的・抜本的な検討を進めている。
今治病院(今治市石井町4ノ5ノ5)は、地域周産期母子医療センターを併設し、二次救急、周産期、小児の医療救急、脳血管疾患等の急性期医療や災害医療、感染症医療を提供する今治圏域の中核病院で、一般270床(精神50床は休床中)。1983年に整備し、93年に高度医療のための病棟を増築するなどしているが、築後40年近く経過し建物本体の老朽化が進み、診療機能の制限や患者のアメニティー機能が低下していることから、病院の今後の在り方について検討を進めている。
20年度に同局が作成した25年度までを計画期間とする第2次県立病院中期経営戦略では、同病院を含む県立4病院が地域に必要な医療を継続して提供し健全経営を確保する機能強化方策を打ち出すなど、同病院についても地域の中核病院として診療機能の維持を前提にしている。施設の更新や新型コロナウイルス感染症対策の機能を満たすなど、病院経営の影響も踏まえながら妥当な施設の方向性を決める考え。
提供:建通新聞社