京都市は22日、用途地域や容積率、高度地区の変更などを行う都市計画の見直しについて、市民意見の募集結果を明らかにした。
10月〜11月にかけて1ヵ月募集した結果、意見書数は869通(意見数は2445件)で概ね7割が賛同。
意見の内訳は、見直し全般が669件、京都駅南部に関することが196件、梅小路京都西駅周辺に関することが136件、らくなん進都(鴨川以北)に関することが160件、竹田駅周辺に関することが125件、東部方面の外環状線沿道に関することが388件、市街地西部の工業地域に関することが166件、桂川・洛西口駅周辺に関することが102件、向日町駅周辺に関することが102件、淀駅周辺に関することが91件、工業地域における多様なニーズへの対応についてが88件、その他が222件。
主な意見をみると「人口減少や若年・子育て世代の減少に対応するための都市計画に期待する」「市内は住宅価格が高すぎて普通の若い世帯では購入が難しい。働く場の確保も重要」「京都全体が保全地域かのような誤解を与えている。景観政策をもっときめ細かく考えるべき」「守るべきところと攻めるべきところを切り分けたのはいい考えだと思う」「もともとポテンシャルが高いエリアを有効活用できていなかった側面があると思うので、これを機会に有効活用されることを期待する」などのほか、「50年後、100年後を見据えて定められた規制をたった15年で見直すのは納得できない」「高いビルのないことを京都の景観の魅力とすべき」などの意見があった。
京都駅南部に関する意見としては「まちのポテンシャルは高いが、規制や容積が厳しく、まちの発展につながっていない」「一定の要件を付したうえで高さを緩和し、市として誘導したいものを誘導しようとすることは、よい取組だと思う」のほか、「高層ビルが乱立するような風情のない京都にしてほしくない」などの意見があった。
東部方面の外環状線沿道に関する意見としては「ようやくという感はあるが、山科の新たなまちづくり、今後の発展に向けて大いに期待」「地下鉄も通っており、その周辺に住環境のいい居住地ができるのであればとてもよい」「高さ規制により容積率を消化することが困難だったので良い見直し案。あえて高さを設けずに創意工夫を引き出すプランは新しくて良い」などのほか、「若い世代の居住環境の創出を理由とした高さ規制緩和に反対する」などの意見があった。
都市計画の見直しについては、令和5年2月以降、都市計画案の縦覧・意見書の受付、特別用途地区建築条例案の市会への提案、都市計画審議会への案の付議を行う。