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建通新聞社(神奈川)
2022/12/23

【神奈川】県 汚水処理事業広域化・共同化で素案

 神奈川県は、県や市町村が連携して汚水処理施設の事業運営の広域化・共同化に取り組むため、「神奈川県汚水処理事業広域化・共同化計画」を策定する。ハードでは汚水処理施設の統廃合など、ソフトでは下水管の点検や修繕などの維持管理を共同で実施するとし、連携メニューに関わる自治体や施設名などと、実施に向けた短期、中期、長期のスケジュールを「ロードマップ」として示す。2023年第1回県議会定例会に計画案を報告した後、3月中に広域化・共同化計画を策定、公表する。
 ロードマップでは、連携内容とそれに関わる自治体名や施設名などを示し、短期(23〜27年)、中期(28〜32年)、長期(33〜52年)のスケジュールを設定する。
 ハード連携では汚水処理の共同化として汚泥処理施設の統廃合や、緊急時などでの相互融通を実施。主な連携内容として、逗子市浄水管理センターと葉山浄化センターの統合では、短期で統合の可能性を検討し中期で検討結果を踏まえて事業化を目指す。大磯町美化センターし尿処理施設の改修(流域関連公共下水道に接続)、酒匂川流域下水道の処理場から発生する汚泥の集約処理については、短期で事業に着手し施設整備に入る方針だ。
 ソフト連携では下水管の点検や修繕などを共同実施する他、宅地内への接続工事を行う工事店の指定事務など、BCPの共同化として災害時での市町村間の資機材融通や訓練など、広報共同化として下水道への理解を深め適正な利用や接続を促す広報活動に取り組む。主な連携内容では、管路・マンホールポンプの維持管理の共同化を実施するため、短期から中期にかけて関係機関(秦野市、大和市、海老名市、南足柄市、二宮町、大井町、箱根町、湯河原町、県流域下水道事務所)で協議・調整し、共同化を開始する。
 素案については、県民から広く意見を募集する。23年1月19日まで県県土整備局河川下水道部下水道課公共下水道グループで受け付けている。
 県内の市町村では、18年11月に神奈川県汚水処理事業広域化・共同化検討会を立ち上げ、計画策定に向けた話し合いを進めている。引き続き検討会を活用し、具体的な方策を検討する。また、県と市町村が、連携して取り組む必要がある課題について、県は広域的な立場から調整を主導する。 提供:建通新聞社