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日刊建設工業新聞
2022/12/23

【鳥取】元請けへの浸透が課題に/基金と専門工事団体が懇談/県CCUSモデル工事検討

建設キャリアアップシステム(CCUS)を運用する建設業振興基金と、県内専門工事業団体の懇談が21日、WEBで開かれ、専門工事業の代表からは元請けにCCUSが普及しておらず、就業履歴が蓄積できないといった声が相次いだ。
 懇談会は日ごろ、下請けの立場から現場に入る専門工事業にCCUSに対する理解を深めてもらおうと県土整備部が企画した。標識・標示、造園、鉄筋、電気、とび、板金といった各団体代表者8人と、建設業振興基金CCUS事業本部の上浪鉄郎氏が意見を交わした。
 とび団体は「経験年数によるレベル4を上回る評価がなく、レベルを小分けしてみては」と提案。CCUSについては「技能者の賃金など処遇改善には中々、つながっていない」と訴えた。
 これに対し上浪氏は、「職人の意欲向上で生産性を上げてもらう目的もある」とし、「経営者が制度を上手く使って若い人材が入ってくる業界に」と呼び掛けた。
 造園の代表は「工事量が少ない上に、街路樹の管理は業務委託として発注され、制度の対象外になる」と苦言。板金、とびの代表は「元請けの現場にカードリーダーがなく、履歴が蓄積できない」と指摘し、元請けに対するCCUSの登録促進を求めた。
 県土総務課の西村克則建設業・入札制度室長は、県内にCCUSが普及していない現状を認めた上で、「技能者の処遇を改善して担い手不足を解消することが目的。業界全体で取り組む必要がある」と説明。来年の総合評価にモデル工事の試行を検討し、CCUS活用の誓約書を条件に加点評価する考えを示した。

日刊建設工業新聞