名古屋市観光文化交流局は、国際展示場の新第2展示館の整備について、基本構想策定時の2層構造から1層構造に見直すとともに、約1万平方bの展示面積を確保できる移転改築を早期に着手する考えを示した。完成時期は流動的としつつ、最短で2028年度を目指す見通し。発注はデザインビルド方式を想定しており、23年度に事業者選定支援業務を委託するため、当初予算案に事業費を要求していくとしている。
今回まとめた基本計画案によると、新第2展示館は展示面積を約1万平方bとし、天井高14b、有柱で、床下ピットを設ける。床積載荷重は第1展示館と同様、1平方b当たり5dのコンクリート床とする。主な諸室は主催者事務室、多目的室、管理事務室、倉庫など。
20年にまとめた基本構想は一部を変更、レゴランド拡張用地の境界を同じ面積で直線状に変更した他、2層構造(展示面積で約2万7000平方b)を1層構造に見直した。新第2展示館東側の現交流センター・イベント館部分を新第2展示館の拡張用地に見込み、将来的には1万2000平方b程度の展示面積をさらに確保できるようにする。拡張部分の建設は、交通対策を確実に進め、港湾関係者の理解を得つつ、開催需要も踏まえて検討する考えを示した。
建設用地を直線状に改めたのは、効率的な施設配置や搬出入動線を確保でき周辺交通の改善が可能なためとしている。1層構造に見直したのは事業費を抑えるのが目的。現第2展示館の老朽化対策と搬出入動線の改善を図るため、現施設の展示面積(6576平方b)以上を確保できる展示面積で、先行して新第2展示館を整備する。
今後の見通しは、事業者選定に2年、設計に1年、工事で2年とした場合、最短で28年度に整備を完了できる想定を示した。同局に聞いたところ、発注はデザインビルドを想定、要求水準書案の作成を23年度に始めたいとしている。
現第2展示館は、鉄骨造一部鉄筋コンクリート造2階建て延べ8299平方b。
金城ふ頭地区の交通処理対策は、▽国際展示場駐車場への入庫待ち車両による車列▽名港中央インターチェンジ(IC)・周辺道路の交通集中▽催事の搬出入車両の路上待機―の3点で実施。国際展示場駐車場は一般利用を停止して金城ふ頭駐車場への集約化を10月から実施している。名港中央IC合流部の拡幅や周辺道路の道路改良に向け、関係機関と調整中とした。路上待機は、新第2展示館と合わせて整備する大型車待機場について詳細計画を検討する。
提供:建通新聞社