建通新聞社(静岡)
2022/12/21
【静岡】台風15号 農地・林地の被害額118億
静岡県のまとめによると、9月の台風15号で被害を受けた農地・林地などの公共施設被害額は118億2400万円に上った。最も被害額が大きかったのは農地・農業用施設の62億5400万円で、1983年以降で最大の被害になったという。県は、市町の農地の災害復旧事業の災害査定を支援している他、2023年3月から国庫補助を活用した山地・治山施設・林道の災害復旧事業に本格的に着手する。
農地・農業用施設では、農道の崩落や橋梁の損壊、ため池の盛土崩土といった被害額が大きい施設の災害復旧を優先。県は、農業土木系の職員を災害復旧の事業主体となる市町に派遣し、12月16日までに82件の災害査定を終えた。23年3月中旬までに補助金交付が決定し、3月から復旧工事に着手する。査定を終えた工事の中には、補助金交付の決定前に着工するものもあるという。
多品目と比べて農家の負担が重くなるわさび田の復旧には、静岡市などと協調して独自に復旧事業費を補助する。
山地災害(山腹崩壊、土砂流出など)の被害を受けた林地では、国庫補助を受ける災害関連緊急治山事業、県単独の治山事業や県土強靱(きょうじん)化対策事業などの復旧費を2022年度当初予算や22年度12月補正予算案で措置。路体・路肩決壊、法面崩壊、崩落土、橋梁崩落などの被害が生じた林道では、静岡市などが事業主体となり、災害復旧事業を進める。
公共施設以外の台風15号の被害状況を見ても、工場・倉庫への土砂流入、ビニールハウスの冠水、茶園への土砂流入・崩落、製剤機械などの浸水被害などが生じており、被害額は59億5400万円に上っている。