海側ルート・医療センター近くにIC 社整審道路分科会九州地方小委 九州地方整備局は15日、社会資本整備審議会道路分科会の九州地方小委員会を開き、計画段階評価を進めている東彼杵道路の対応方針案をまとめた。概略ルート帯は、ハウステンボス入口と東そのぎICを最短で結ぶ海側ルートとした。今後、環境影響評価の方法書の作成を待って国土交通本省に報告する(時期は未定)。
同ルートは延長約15`の自動車専用道路(設計速度・時速80`)。事業費は約1500億〜1700億円と想定。インターチェンジは、集落・市街地や医療施設に近接し、災害時の安全・円滑なアクセス性を確保する観点から、市街地の西側、国立病院機構長崎川棚医療センターに近接する位置を想定している。
東彼杵道路は、佐世保市と東彼杵町を結び、県北地域と長崎空港・県南地域を連絡する高規格道路。2021年2月から新規事業採択時評価の前段階で、政策目標を明確化した上で、複数案の比較・評価を行う′v画段階評価を進めてきた。
3回目となる15日の小委員会では、政策目標案や複数のルート帯案について、自治体や団体代表者、地域住民、企業などから意見を聞いた内容を踏まえ、対応方針案をまとめた。
ここでは、@山側に迂回して市街地への影響を最小限にし、全線別線整備で走行性・速達性の向上と、代替路を確保する「山側ルート」A最短ルートを基本に医療施設などへのアクセス性を重視し、全線別線整備で走行性・速達性の向上と、代替路を確保する「海側ルート」B国道205号を4車線に拡幅し、線形不良個所を改良しながら走行性・速達性を確保する「現道活用案」―の3案を比較検討。この結果、▽別線整備による現道通過交通の減少による事故発生リスクの減少▽別線整備による代替路の確保や、災害時の各拠点へのアクセス性▽現道交通への影響が少なく、道路に近い位置を通過することによる工事用進入路などの調整や施工期間が短いなどの施工性―などの観点から、Aのルートとした。
同対応方針案は今後、国土交通本省が正式決定する。その後、環境影響評価と都市計画決定の各種手続きを進め事業化する。