市原市は、五井駅周辺における文化交流施設の整備に向け、2023年度当初予算に基本構想・基本計画策定業務委託料を確保する可能性を示した。策定業務委託に当たり、23年度早期の公募型プロポーザルの公告を目指している。24年度上半期までに基本構想、また25年度末までに基本計画を策定し、26年度以降、五井駅東口の土地区画整理事業の進捗に応じて設計・工事などを進める。また、施設整備に関し、民間活力の最大限の活用を検討する。
牧野裕之都市部長は、文化交流施設の導入機能に関して「現市民会館のほか、臨海体育館や五井公民館など、五井駅周辺にある公共施設についても各施設の老朽化や利用状況、施設のサービス圏域等を踏まえ、機能集約などを検討していく」との考えを示した。
また、民間活力を最大限に生かすことを検討し、時代の潮流や市民ニーズの的確な把握により文化・芸術等の象徴となる施設として整備するとともに、機能集約・再編による効率的・効果的な事業の推進を図る。さらに、五井駅周辺の拠点形成と連動することで、エリア全体の価値の向上を実現する。26年度までを期間とする公共施設再配置基本方針なども踏まえ、検討を進めていく構えだ。
五井駅周辺については、21年3月策定の拠点まちづくりビジョンにおいて、まちづくりの方向性として「文化と教育を核に、多様な人が集う中心拠点」を掲げ、市内外を問わず来訪者が集い、市のにぎわいと交流の核となるような機能を集約するエリアと位置付けた。
ビジョンの具現化に向けて10月に策定した拠点別整備基本計画・五井編の土地利用方針では「文化交流ゾーンにおいては、市民会館の老朽化状況も踏まえながら文化芸術の交流拠点を整備するとともに、他機能の複合化を検討する」とした。
また、事業スキームとして個別型、区分所有型、公民連携型(BOT型)、公民一体型、民間事業型を挙げた。
建物の整備主体に関しては▽個別型=文化拠点(公益事業)を市、にぎわい拠点(収益事業)を民間▽区分所有型=街区整備組合(仮)による市と民間の共同事業▽公民連携型=民間▽公民一体型=市と民間の共同出資による特別目的会社(SPC)▽民間事業型=民間――を想定。
建設用地については、組合施行により26年度に事業化・工事着手する予定の土地区画整理事業で創出する。