高知県が発注した地質調査業務の入札で、独占禁止法の疑いにより県内の測量会社十数社に対し公正取引委員会の立ち入り検査が行われたことを受け県は、外部有識者や学識経験者による談合防止対策検討委員会を設置し第1回の会合を開いた。今後、入札契約制度の見直しや独占禁止法違反に対するペナルティーの強化などについて意見を交わし、再発防止に向けた取り組みをまとめる。
検討委では、高知県警刑事部長や警備部長を務めた田中庄司氏を委員長に選出。その後、今回の立ち入り検査の経緯や2011年12月に国や県の発注工事で県内建設業者に対し実施した立ち入り検査と、その後の措置内容、当時の対策検討委員会の最終報告を踏まえた入札契約制度や罰則、談合情報対応マニュアル、コンプライアンス確立に向けた取り組みの内容、平均落札率の推移などについて県が報告した。
また今後の談合防止対策の参考とするため、全国の都道府県で実施している状況を調査することも報告、入札契約制度やペナルティーの他に、指名競争入札での県内業者の優先度合いや誓約書の聴取についても質問する方針だ。これらの調査結果は23年2月に開催予定の次回会合で報告する。
委員からは「原因を明らかにしないと実効性のある対策が検討できない」「最低価格でくじ引きによる落札結果が経営にどう影響しているのか見ておくべき」「直ちにペナルティーを強化し指名停止するのは、法律的な観点からもその判断は慎重にすべき」「原因究明がないままペナルティー強化に比重を置くとひずみが生じる」などの意見が出た。
23年度以降も全国調査や委員の意見を基に入札制度やペナルティーなどの見直し案について、数回の委員会を開き、今回の事案で公正取引委員会からの措置結果が出た場合の県の対応を踏まえた上で、最終報告を取りまとめる。
提供:建通新聞社