秋田市市場管理室は、卸売市場の再整備に関し、設計施工を一括で発注するDB方式や設計施工・維持管理運営を一括発注するDBO方式の採用を検討している。同方式を前提としたスケジュール案によると、5年度から基本計画策定、6年度から事業者選定に着手する見込み。14日に行われた市議会教育産業委員会で、基本構想の骨子案を示した。今年度末の基本構想策定に向け、今後は素案をまとめるための検討を進める。
現在の卸売市場(外旭川字待合28)は、平成3年度に建設された花き棟(S造1,753u)のほか、昭和49年度に建設された青果棟(RC・S造10,731u)、水産棟(同10,083u)などで構成されている。主要な建物は昭和50年の開場から47年が経過し、インフラ設備等の老朽化が進行している。
再整備にあたっては、◇既存施設の長寿命化+一部建て替え ◇全面建て替え(仮設方式)◇全面移転建て替え ◇全面建て替え(現地ローリング方式)―の4パターンで方針を検討。長期的な活用には施設の耐久性向上や新たな機能導入、合理的な物流動線の確保などが必要となるほか、移転を伴う場合は移転先の土地確保やインフラ整備などに費用や期間を要することから、現地ローリング方式で全面的に建て替える方針としている。
用地は現在の市場用地(139,520u)に東側の民有地を加えた範囲を想定。施設配置は検討中で、素案の段階で2パターン以上を示す。
事業実施にあたり、整備の効率性向上のためには民間事業者のノウハウを導入する意義は高いとして、DBまたはDBO方式の採用を検討。同方式採用を前提とした事業スケジュール案によると、5〜6年度で基本計画策定を策定し、6〜7年度で事業者を選定する。基本・実施設計は7〜8年度にかけてまとめ、付帯工事は6〜7年度、準備工事は7〜8年度に実施。8年度から本体工事に着手し、水産棟や水産関連棟(加工、冷蔵、保管)、管理棟、青果棟、青果関連棟(加工、低温センター)、花き棟、物流棟建設や外構整備を順次進め、14年度の完成を目指す。
提供:秋田建設工業新聞