日本道路建設業協会北陸支部(海野正美支部長)は13日、北陸地方整備局との意見交換会を新潟市中央区のアートホテル新潟駅前で開催し、スライド条項の対応や入札・契約など5議題で双方の認識を共有した。
開会に先立ち、北陸地方整備局の池田裕二企画部長が「本日の議題には予算の確保や工期の設定、スライド条項の対応など円滑な事業執行のために必要な喫緊の課題が設定されている。ともに解決策を考え、知恵を出し合っていきたい」とあいさつ。海野支部長が「道路建設業界は生産年齢人口の減少に伴う若手技術者や技能労働者の業界離れが深刻になっている」と指摘。その上で「担い手確保のための労働時間の改善、週休2日制の実現、建設キャリアアップシステムの活用促進など、働き方改革や生産性向上への取り組みが急務」と述べ、業界の現状と課題を説明した。
意見交換では協会側から工事平準化や補正予算工事発注などにより、年度を跨ぐ工期の発注が増加し、年度末あるいは年度初めに労務単価の改定が行われる場合に請負代金額の変更ができるインフレスライド条項が適用となる工事の増加が予想される。そのため、適切でスムーズなスライド条項の運用による変更契約に加え、2024年4月からの時間外労働上限規制適用を見据えてスライド条項の適用手続き簡素化などを提案。局側は単品スライド条項の運用マニュアル案が7月に公表され、説明会で寄せられた意見は本省でQ&Aを作成して近く公表される予定と回答した。
また、協会側が電線共同溝工事の計画的な工事発注を要望したのに対し、局側も無電柱化の推進に向けて計画的な発注に努めると応じ、専門性の高い工事等について協力を求めた。入札・契約関係では関係機関との協議未了などの場合に冬期施工を回避した工期設定や余裕期間制度のさらなる適用を提案した。