愛知県は12月14日、名古屋三河道路の構想段階評価の手続きを開始した。同日に名古屋三河道路有識者委員会を設置、「西知多道路〜名豊道路区間」の概略ルート・構造の検討を進める上で、専門的見地から学識経験者の助言を得る。今後、ヒアリング・アンケートによる意見聴取を行った上で、複数案の概略ルートを次回委員会で提示する見通しだ。
名古屋三河道路は、知多地域と西三河地域を東西に貫く高規格道路として、2021年3月に国と県の新広域道路交通計画において高規格道路(調査中)に位置付けられた。22年3月に国の名古屋都市圏環状機能検討会で、西知多道路から名豊道路までを優先整備区間に設定、4月には重要物流道路にも指定された。
開催に当たって、建設局の中島一技監は「名古屋三河道路は伊勢湾岸自動車道とダブルネットワークを形成、国際物流の結節点である名古屋港や中部国際空港と、ものづくり企業が集積する生産拠点とを結ぶ大変重要な路線と考えている」と、国の計画構想段階に相当する、県の構想段階手続きに取り組む考えを示した。
有識者委員会の委員長に就任した中村秀樹名古屋大学大学院環境学研究科教授は「少子高齢化、災害リスク、そして国際競争力を維持するために、今後どういった幹線道路を整備していくのか。今回の名古屋三河道路について、ぜひ活発な議論をお願いしたい」とあいさつした。
構想段階評価では、交通、経済、観光、防災などの観点で道路計画の必要性を確認する。委員会では、道路ネットワークの整備状況、人口、地域の交通流動、地形・災害など地域の現状と課題について説明。政策目標では、産業、渋滞、安全、防災の観点から評価項目案を設定した。地域からの意見聴取に関しては、住民アンケートやヒアリングなど原案を審議。委員からはアンケートの簡潔化や、紙だけでなくネットの活用など意見が出された。
今後、評価項目について意見聴取を実施。実施結果を踏まえて次回委員会で概略ルート・構造の複数案を設定する予定だ。複数案について意見聴取を行い、対応方針案を委員会で審議、概略ルート・構造の対応方針を決める手続きが予定されている。
提供:建通新聞社