徳島県は水道事業の経営基盤を強化するため「水道広域化推進プラン」の素案をまとめた。短期的な取り組みとして「資機材の共同発注、水質検査の共同委託」、中期的な取り組みとして「営業業務の共同化、浄水場などの維持管理業務の共同化」、長期的な取り組みとして「システムの共同化、経営統合と施設の共同化」を目標に設定。県内の上水道18事業者、簡易水道37事業者で経営の一体化を条件に広域化を進めた場合の財政シミュレーションとして、企業債残高を約160億円縮減できると試算している。
県内55の水道事業者のうち人口5万人未満が52事業者で、今後、給水人口減少と更新需要の増加、耐震化推進による経営環境の悪化が懸念されている。将来見通しでも人口減少と料金収入減少、減価償却費が増大すると予想している。
これに対し、更新基準見直しなど合理的な前提条件を設定して料金改定を行うとともに、広域連携などにより経営環境改善が可能と試算した。
広域化のシミュレーションでは、鳴門市・北島町共同浄水場で約17億円のコスト縮減となる見通し。また資機材と水質検査の共同発注、財務会計のシステム共同化を県内3ブロック(東部、南部、西部)単位で行うと約6200万円の経費節減を見込んでいる。
2020年度末時点で県内には、上水道で取水場・浄水施設が各105カ所、ポンプ場が204カ所、配水池が451カ所ある。簡易水道は取水場が53カ所、浄水施設が62カ所、ポンプ場が21カ所、配水池が143カ所ある。また導水管は全体で9万5702b、そのうち耐震性を有する管路は1万3376b、送水管は全体で35万6826bで耐震性を有する管路は9万6404bにとどまっている。
提供:建通新聞社