日本工業経済新聞社(茨城)
2022/12/14
【群馬】県利根沼田農業事務所農村整備課は追分地区で県営農村地域防災減災事業を23年度実施
県利根沼田農業事務所農村整備課は、昭和村糸井地内の追分地区で農村地域防災減災事業(特定農業用管水路等特別対策事業)による管路の整備を計画している。事業は2023年度から27年度の5カ年で、事業費は9億9000万円を見込む。23年度中に設計をまとめ、24年度から27年度で工事を実施する予定。整備延長は約19km。既設の石綿セメント管を撤去し管路を整備することで、農業者や地域住民の健康障害の未然防止と農業生産の安定を図る。
追分地区は、赤城北ろく用水から農業用水の需給を受ける地域のひとつ。既設の石綿セメント管は敷設してから50年近くが経過したことで、劣化しており、漏水が発生している状態。漏水によって畑の表土が流失し陥没するといった営農への影響や、石綿管が破損した際の健康被害が懸念される。
同地区の事業範囲は143・8ha。既設の石綿セメント管を撤去し、硬質塩化ビニル管の新設する。石綿管撤去の総延長は16・3km。新設する管路はφ75o〜400oで、延長は18・9km。そのうち幹線水路は延長2・9km、支線水路は延長16kmとなっている。管路を新設して水流を確保したのち、石綿管の撤去作業となることが想定される。24年度から27年度の間で工事を分割し、順次発注していく見込み。工事箇所の分割数については未定で、予算の割り当てや現地の状況に応じて工事の延長を決める。
赤城北ろく用水は県営開拓改良事業により1960〜64年に造成され、昭和村と沼田市にまたがって生活用水や農業用水を提供している。取水工、貯水池および幹線用水路、畑地かんがい施設、営農飲雑用水施設を要しており、各施設は築造から50年以上が経過している。経年劣化が進んでいるため、これまでに県営水利施設整備事業で、幹線水路や貯水池などの長寿命化を実施してきた。